コンビニ弁当は「ははキトク」より「まごはやさしい」?

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これが認定マーク。肉・魚の総菜なら赤い部分のマークがつく。

 「まごはやさしい」「おかあさんやすめ ははキトク」。脈絡のなさそうな2つのフレーズだが、食事改善指導を受けた人にはおなじみである。

 まめ(豆類)、ごま(種実類)、わ(は)かめ(海藻類)、やさい、さかな、しいたけ(きのこ類)、いも、の頭文字をつなげると「まごはやさしい」となり、これらの食品を意識的に摂るようにすればバランスのよい食事になるという合言葉だ。

 2つ目の物騒なフレーズは、オムレツ、カレーライス、サンドイッチ、ヤキソバ、スパゲティ、メン(麺、ラーメン)の頭文字で「おかあさんはやすめ」。さらに、ハンバーグ、ハムエッグ、ギ(キ)ョウザ、トースト、クリームスープの頭文字で「ははキトク」。こちらは、やわらかくて歯ごたえがなく、栄養素が偏った食事例だ。

 PTAや病院の食事改善指導では、「『おかあさんはやすめ ははキトク』はほどほどに、『まごはやさしい』をどんどん食べてくださいね」とやるわけだ。

●3色揃えば「健康な食事」

 

 そして、子どもや病人だけでなく国民全体への"食事改善指導"が始まっている。2015年4月からの厚生労働省による「健康な食事」の認定だ。コンビニエンスストアやスーパーの弁当・惣菜で、基準を満たしているものを「健康な食事」と認定するものだ。10月6日に認定マークと基準が発表された。

 マークは114点の応募の中から、東京都の佐藤遊作さんの作品が選ばれた。主食を黄色と稲穂、主菜を肉の赤色と魚のうろこ、野菜を緑色と葉で表している。惣菜や弁当に貼られるマークの色を見て3色を食べるようにすれば、バランスよい「健康な食事」となる仕掛けである。

 認定の基準は、まず黄色の主食の場合、300キロカロリー未満、炭水化物が40~70gで、玄米など精製度の低い穀類を2割程度含むこと。赤色の主菜は、250キロカロリー未満で、たんぱく質が10~17gであること。緑色の副菜は150キロカロリー未満で、2種類以上の野菜が100~200gであること。そして、食塩は全て1g未満でなければならない。

 たとえば、店で手にした弁当に黄色と赤色のマークがついていたら、緑色マークの惣菜を加えて購入すれば「健康な食事」となる。ならば3色揃った弁当があれば便利だが、3色完全にするには650キロカロリー未満と食塩3g未満の基準も満たさなければならないのでハードルが高い。

●長寿社会的なビジネス?!

 

 2025年には人口の3割が65歳以上になるという、世界でも稀有な超高齢化社会へと激動の変化をつづけている日本。政府の経済成長戦略の中で「世界も驚く健康長寿社会」がうたわれているように、超高齢化社会を迎えながら、いかに新産業を創出するか(儲けるか)を官民あげて模索中である。

 高齢者が増えると、これまで以上に健康寿命(日常生活に制限なく暮らせる期間)が重要になる。国民には早くから「健康な食事」をとらせ、健康寿命を伸ばし、医療費抑制に協力してもらわねばならない。そして、その「健康な食事」を産業にも育てよう、という一挙両得的な思惑が認定マークにはありそうだ。

 今回の認定には、厚労省の審査がなく報告義務さえ果たせば製造・販売業者が自由に3色マークをつけることができる。そして、基準に添加物の含有をいっさい触れないのは、おそらくそういう事情があるのではないだろうか。
(文=編集部)

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