見えない添加物・隠れた添加物がたくさんある
安くておいしそうに見えるハンバーグ弁当。しかし、その「裏側」では大量の添加物が使用されている。そしてそれは、私たち消費者には見えない部分なのだ。なぜ、こんなことが起こるのか?
まず、各食材において添加物の重複使用が多いということ。さらに、問題なのが食品衛生法で定められている「一括表示」や「表示免除」などの仕組み。「一括表示」というのは、添加物のうち、香料や乳化剤など同じ目的で使用されているものは一括して表示できるというものだ。
たとえば、食品の変質や変色を防ぐPH調整剤。これはひとつの物質名ではなく、「クエン酸ナトリウム」「酢酸ナトリウム」など複数の添加物の集合体なのだ。そのため、実際には何種類の添加物が使用されているのかはっきりわからない。「表示免除」はいくつかのケースに限って、表示をしなくてよいという例外ケースのこと。その中のひとつ、「キャリーオーバー」はできあがった加工食品に添加物Aの働きが有効でない場合、Aの表示は不要とされるものだ。
たとえば、多くの添加物が含まれるアミノ酸液混合などの安いしょうゆを食品に使った場合、食品の材料表示はしょうゆのみとなる。しょうゆに使われていた添加物はできあがった食品には効果がないという解釈なのだ。このキャリーオーバーは想像以上に数多くある。
また、キャベツのところでふれた「加工助剤」も表示免除の一つである。食品製造の過程において使われた添加物が最終製品に残らないもの、残っていても影響を与えないか、食品にもともと含まれる同じ成分であるものなので、表示をしなくてよいのだ。
これらの法律を利用して添加物表示を少しでも少なくしようと意図的に表示を省くことすらできる。
そのほか、バラ売り、店内で製造・販売するものも表示免除となる。外食や持ち帰り弁当、ファストフード、デパ地下やスーパーのバラ売りなどがこれにあたる。これらの食品は、いかに添加物が使用されようとも、表示すらされていないため、正確に把握することができない。
毎日大量の添加物が食品加工に使われ、商品となってスーパーやコンビニに並び、それを大人も子供もためらいなく口にする。それが今の日本の食の現状である。