ペットのために東洋医学を積極的に導入 後編

ペットの高齢化、増加する生活習慣病には東洋医学が必要な時代に!

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ペットの生活習慣病にはどう対応すればいいのか?

「ペットの寿命は30年前の倍ぐらいになっています」そう話すのはかまくらげんき動物病院の石野孝院長。ペット医療における東洋医学的なアプローチ(ペット中医学)を確立してきたパイオニアの一人だ。

 2019年12月23日付けで一般社団法人ペットフード協会が発表した「全国犬猫飼育実績調査」によると、猫全体の平均寿命は15.03歳。犬全体は14.44歳だった。(「令和元年(2019年)全国犬猫飼育実態調査 結果」一般社団法人ペットフード協会

「今まではフィラリヤ(犬糸状虫症)、パルボウイルスなどの感染症や交通事故などでなくなっていましたが、今は人間と同じ生活をしているので 高齢化や生活習慣による疾患が多くを占めています。これはペットにも養生が得意な東洋医学的なアプローチが不可欠な時代になっていることを意味します」と石野院長。

 石野院長がペット中医学で使うのは漢方薬、鍼灸、推拿など。その診断には動物の体に現れる表情や臭い、腹部の張り具合いなどのサインを判断する「四診」という手法。(※四診について前編を参照)

「当院の漢方治療の特徴の一つに飲む漢方と塗る漢方があります。どちらも、中獣医学的な診断方法である四診を行なってから、その動物に最適なカスタマイズされた処方です。塗る漢方は、抽出した漢方の有効成分を台湾陽明大学の蔡教授チームがバイオテクノロジーの技術を応用し、経皮吸収することを可能にしたものを使用。動物の耳の内側や臍、ツボに塗布して有効成分を体内に吸収させます。飲む漢方についてもヒト用漢方の代用ではなく、犬猫専用の中成薬を使用していますので、エキス顆粒や錠剤、粉末で飲ませにくいということはありません」という。

結果を出す診療に不可欠な「中西結合獣医学」

「漢方薬は効いてくるまで時間がかかると思っている方も多いと思いますが、比較的早期に結果が感じられますケースも少なくありません。当院では、『結果が実感できる治療』を目指しています。遠方から来た方のペットをやはりきちんと治してあげたい。そのために結果を出す方法が必要です」という石野院長がその具体的手法としているのが「中西結合獣医学」だ。

「例えば人気犬種のミニチュアダックスフントには椎間板ヘルニアが非常に多い。重症度が高いグレード4~5になると大抵は手術を勧められます。しかし、毎年数十頭、過去10年以上の治療では、手術をせずに歩けるようになります。どんな治療かというと鍼灸、漢方、推拿などを使い経絡の流れをよくする疎通経絡の治療を行います。主に血が停滞した状態である瘀血(おけつ)を改善することで1カ月以内にほぼすべて歩けるようになっています。

 実はこの時、西洋医学も同時に使います。ヘルニアが発症したらなるべく早めに神経細胞を保護しなければいけない。そこで最初の3日間だけは神経細胞の壊死を防ぐためにステロイド剤を使います。神経細胞が死んでしまったらもうどうしようもなくなってしまうためです」

 こうした東洋医学と西洋医学の効果的な併用こそが治療の実際だという。もちろん東洋医学的アプローチで結果がでる場合もある。

「よくある猫の症状として便秘や尿のトラブルがあります。老猫の便秘の症状はほとんど腰痛から来ています。痛くていきむことができないのです。腰痛の管理をすることで症状は大幅に改善します」という。

「また、猫の尿のトラブルとしては下部尿路疾患が増えています。小さいころに去勢しているオスで室内飼い、ドライフードを多用、肥満で神経質な猫が季節の変わり目に発症することが多い。排尿を我慢し、ひどくなると尿閉になってしまうこともあります。東洋医学では、体内に余分な水分がたまった状態を水滞(すいたい)」と呼び、これを改善するために広金銭草などが入った利水剤を使うと改善が見えます」

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