ペットのために東洋医学を積極的に導入 後編

ペットの高齢化、増加する生活習慣病には東洋医学が必要な時代に!

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抗がん剤と東洋医学的ケアの併用が標準的

 犬猫の死因でやはり一番多いがんだというが、がんについての有効性はと問うと、「東洋医学の証では内分泌系や免疫機能など全般の機能低下で精気が減退している『腎虚』と『瘀血』によって生じると理解されます。しかし東洋医学の基本は養生ですから、大きながんが一回の鍼灸や漢方薬で治るわけがありません。でも、東洋医学的な疼痛緩和や食事指導をしながら同時にフェンタニルやトラマールなどの西洋医学的な痛み止めも使います。

 ですから中西結合獣医学でのがん治療は、抗がん剤と漢方薬の併用が最も多くなります。西洋医学を否定する方や薬はすべて悪だという方もいます。しかし、必要な第一選択である抗がん剤をやらないのは間違いで。抗がん剤を使いつつ東洋医学的ケアも行うというスタンスが基本だと思います」と石野院長。

 家でできる愛犬愛猫のケアについてアドバイスをもらった。
「日常的なケアとして可能な限りペットの体をさすってあげることをおススメします。マッサージはオキシトシンやセロトニンなどのホルモンや神経伝達物質が増えますからストレスが軽減されます。ペットだけではなくマッサージした人間のほうにも同様の物質が出るようです。日常的にいろいろな部分をさすってあげることで体の異常にも気づきやすいという利点もあります。猫には刮痧(かっさ)がおすすめです」

 かっさとは、専用のプレートを使って、皮膚の経絡や反射区をこすって刺激を与える手法で、針を使わない鍼灸と言われる中国伝統療法。血行を促進させ不調の改善に役立つと言われる。さらに犬には足浴もいい。肉球を温めた方が体調がよくなることがあるという。

「ある程度、犬や猫のツボも確立されてきています。ツボを覚えて押してあげてください。一番有効なのは後ろ足裏の一番大きな肉球のすぐ上にある「湧泉(ゆうせん)」です。気力や体力を高めて全身を元気にするツボです」(石野院長)

  犬の平均寿命は15歳程度だが、かまくら動物病院での日常的な養生をしている犬では18歳以上まで生きるケースが多いというから、いかに日常的な養生が必要かがうかがえる。

気になる治療費だが、ペット保険では、基本的にはヒトに保険適用になっている漢方薬は対象になるが、椎間板ヘルニアの治療のためには鍼灸が適用となる一方で、維持のためには適用にならないなど保険会社やクリニックによっても細かな違いがあるため、事前に確認した方がいいという。

 東洋医学を用いたペット医療に興味のある方は以下で全国の会員病院の検索ができる。
●日本ペット中医学研究会
https://j-pcm.com/memberlist/
(文=編集部)

愛犬・愛猫のために東洋医学を積極的に導入  注目されるペット中医学とは?の画像2

石野孝(いしの・たかし)
かまくらげんき動物病院院長。
最新の西洋医学と伝統的な東洋医学を結合し、動物にやさしい治療を実践。麻布大学大学院獣医学研究科修士課程を修了。中国内モンゴル農業大学にて中国伝統獣医学(鍼灸、中薬学)を専攻し、日本人獣医師として初めて中国伝統獣医学を修める。
「中西結合獣医学(ちゅうせいけつごうじゅういがく)」の権威として長きにわたり、最新の西洋医学と伝統的な東洋医学を融合させた、動物にやさしい治療を実践している。
国際中獣医学院日本校校長、一般社団法人日本ペットマッサージ協会理事長なども兼任する。


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