緊急避妊薬、処方箋なしで薬局での販売が来年度から可能に!?

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性産業で使い捨てられる少女たちの若年妊娠の実態

そして、神奈川県女性薬剤師会を初め、日本女性医療者連合(JAMP)やNPOの方々が、コロナ禍の現在、若年妊娠が増加しているというのではないか?という危惧を持ち、緊急避妊薬のOTC化を求める署名活動を開始した。そこで党派に係らず県内女性議員に声掛けして、緊急避妊薬と若年妊娠問題に演題を絞り、勉強会を開催しようと決意したのだった。

 7月10日の神奈川県女性議員勉強会の目的は3つあった。
(1) 緊急避妊薬について正確に認識してもらう
(2) 緊急避妊薬を安全安心、容易に入手可能にするための一つの契機にする
(3) 横浜市会、神奈川県会で可決された性被害・性暴力に関する法の更なる厳罰化を求める意見書の内容を、県内女性議員が情報共有し、賛同してもらう

 この3つの目的を達成するために、この日の講師は、上昌広医師の愛弟子、「山本佳奈医師」と日本女性医療者連合理事対馬ルリ子医師推薦「小野寺真奈美医師」のお二人にお願いをした。山本佳奈医師は、自分自身で弾丸視察を海外に行い、緊急避妊薬の現状をつぶさに把握されてきた、その現状を講演いただいた。そして小野寺真奈美医師は身重にもかかわらず、対馬医師の推薦に答えて頂き、これまで産婦人科医師としてかかわった事例を交えながら、性産業で使い捨てられる少女たちの驚くべき、そして悲しむべき実態を若年妊娠の現状とからめて、講演いただいた。

広がる緊急避妊薬の必要性と認識

 出席した女性議員の反応は大きかった。緊急避妊薬を全く知らない女性議員から、20年以上前から知識を得ていた海外在住経験のある女性議員まで、緊急避妊薬の必要性を深く理解し、安全安心にしかも容易に緊急避妊薬を入手可能とする必要性を全員が共有したのである。その勉強会の写真を添えて、各女性議員がSNSを通じて若年妊娠の実態、緊急避妊薬の必要性を拡散したのは、推して知るべしである。

 勉強会で使用した資料を女性薬剤師会の会長にも送ったところ、神奈川県薬剤師会にも伝わったようであった。勉強会直後に行われたかながわ自民党の各種団体からの予算ヒアリング(予算要望内容の説明を受ける会)において、女性議員が緊急避妊薬の勉強会を開いたと聞き、新たに、緊急避妊薬のOTC化を国に対する要望事項に加えたと神奈川県薬剤師会役員から説明を受けた。これには我ながら大いに驚いた。そのようなコメントをもらう事は私としては予期せぬ事であったし、勉強会については知己の女性議員に限って開いた全く個人的な勉強会であったので、公式の場でコメントされるとは思ってもみなかったからだ。これは女性薬剤師会が主に取り組んできたことであり、役員が全員男性である県薬剤師会から要望に加えられた事自体が画期的であったのだ。

 そして、9月に開かれた令和2年度第3回定例県議会一般質問では、その勉強会に参加した同僚女性議員が、若年妊娠についての対策や性教育の重要性について質疑し、県議会で初めて緊急避妊薬「アフターピル」という言葉を議事録に残した。横浜市会でも、参加した女性市議が若年妊娠についての質疑を決算特別委員会で行った。このように、勉強会の波紋が広がりつつあった中で10月8日の審査会の公表である。前日はニュースでも緊急避妊薬の来年度からのOTC化が実現すると流れていた。

 驚いた私は上先生に連絡を取り、神奈川県女性薬剤師会渡辺会長にも連絡をとった。驚いていたのは私だけではなかった事にまた驚いてしまった。が、渡辺会長いわく、私が緊急避妊薬について女性議員勉強会を開いた事によって、女性薬剤師会の活動に弾みがついたそうである。心強い応援だったそうだ。

 私的勉強会がどれだけ役にたったかは不明だ。これまで多くの方々が熱心にこの問題に取り組み、議論を重ね、努力してきた事が、全てであろうと思うが、その一旦を担えたのかもしれない?!という思いは、今後の私の活動の大きな糧になった事は間違いない。女性活躍をより力強く発展させるために、神奈川県議会女性活躍推進議員連盟(超党派・男性議員も所属)の活動と共に、県内県市町議会女性議員の勉強会を率先して進めていこうと決意を新たにしたのである。

 多くの方々からのご支援を賜りたく、以上報告といたします。
(文=小川久仁子)

小川久仁子(おがわ・くにこ)
神奈川県議会議員

※医療バナンス学会発行「MRIC」2020年10月22日より転載(http://medg.jp/mt/)

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