避妊薬「ピル」で眼の病気に!? 知っておきたい、低用量でも副作用のリスク

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ピルが眼の病気を誘発!?(shutterstock.com)

 日本では一般的に「ピル」と呼ばれている経口避妊薬を3年以上服用している女性は、服用していない女性と比べて緑内障または高眼圧症を発症するリスクが高いという研究結果が『Ophthalmology』誌に掲載された。

 今回の研究は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のYe Elaine Wang氏らによるものである。Wang氏らは、2005〜2008年の米国の国民健康・栄養調査に参加した40歳以上の女性3406例のデータを解析し、経口避妊薬の服用歴と自己報告による緑内障および高眼圧症(計231例)との関係を検討した。

 その結果、経口避妊薬服用歴3年以上の女性は、緑内障または高眼圧症の有病率が約2倍も高いことが示された。

 Wang氏は、今回の研究では経口避妊薬と緑内障との因果関係が証明されたわけではなく、今後の研究が待たれることを強調しつつも、「それでも経口避妊薬を3年以上服用している人は定期的に緑内障の検診を受けた方がいいでしょう」と述べている。

 高齢で緑内障の家族歴がああり眼圧が高めなどリスクの高い人は、特に注意が必要だという。

低用量ピルでも副作用はある

 経口避妊薬は1960年にアメリカで発売されたが、当時はホルモン含有量の多い「高用量ピル」であったため、血栓症や胃腸障害などの副作用が多く報告された。1973年にはホルモン量を抑えた「低用量ピル」が開発され、副作用の問題が改善されて世界各地に普及した。

 正しく服用すればほぼ確実に避妊できるといった本来の効用のほか、主成分である2種類のホルモン(プロゲステロンとエストロゲン)の作用を活かし、生理不順の改善、月経困難症の緩和、子宮内膜症の治療などにも使われている。

 ただし、低用量ピルとはいっても副作用のリスクはある。特に血栓症のリスクについては以前から重視されてきた。ピルの主成分であるエストロゲンには、「出血を止める」つまり「血液を固める」働きがある。

 それ自体は大切な働きではあるが、服用しない場合と比べれば血栓を起こしやすくなる。今回発表された緑内障との関係についても、血栓によって網膜の血管が詰まり緑内障に至った可能性が指摘されている。

 どんな薬も、メリットと副作用のリスクのバランスを考慮すること、メリットが上回った場合であっても慎重に服用することが大切だ。服用にあたっては、必ず医師に相談すること。ピルが服用できない体質もあるので、友人のピルを借りるなどの行為は絶対に避けたい。検査を受けて、自分の体質に合ったピルを服用しよう。

 服用後も医師の指示を守り、定期的に検査を受けよう。

 血栓症の可能性には日頃から注意し、前触れ症状と言われている①下肢(ふくらはぎ)の痛み、②胸痛・息苦しい感じ、③激しい頭痛、④視界の異常・目のかすみ、⑤片側の痺れ・ろれつが回らない・長く続く腹痛などが現れた場合には、すみやかに医療機関を受診しよう。
(文=編集部)

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