Amazonの栄養科学ジャンルで長期1位、常識を覆す健康書に注目した!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本の栄養学界、健康産業は本当に大丈夫か?

 人生100年時代と言われながら、実際には寝たきりや認知症により、健康な晩年を送れる高齢者はごく一部というのが現実だ。誰もが健康を手に入れたがっていることは、サプリメントやさまざまな機能性健康食品の売り上げがすごい勢いで増えていることからもわかる。

 しかし、良かれと思っていたサプリメントや機能性健康食品の摂取が、実はまったくの逆効果を生んでいる、というのが本書の結論である。

 世界的なトレンドともなっている本書と著者であるコリン・キャンベル博士は、なぜ日本では一般にまったくの無名なのか?

 これは、日本の医学界の構造と大きな関係がある。アメリカをはじめとした欧米では、栄養学は医学の一部であり、医者は必ず栄養学を学ぶ。栄養が健康に及ぼす影響を、わかっているからこそ、業界の利権構造があったとしても、正しい栄養学を発信していく学術機関もあるのだ。

 しかし、日本の医学教育の中で栄養学の位置づけが弱く評価も極めて低い。むしろ栄養学は数段下に見られているのが現実だ。栄養学を学んだことのない医者が、知識不足を棚に上げて「栄養が病気を治すエビデンスはない」と言い切ってしまう現状がある。偏差値の高い有名大学で学んだ者ほど、学んでいない栄養学を軽視する傾向にあるのも問題だ。

 その結果、世界のトレンドは一般市民の元に届く前に、勉強不足の医療関係者によって切り捨てられてしまう。こうした環境下で、本物の情報への欲求がネット書店上でのベストセラーにつながっているのかもしれない。

 コリン・キャンベル博士は言う。
「私もやろうと思えば、例えばコーラやチョコバーなどジャンクフードの健康メリットを証明するリダクショニズム的実験結果を出すことができます。リダクショニズムは科学の発展に必要ではありますが、やり方を少し工夫するだけで、出したい結果をすぐに出せる危うい存在でもあるのです」

 世界の栄養学はキャンベル博士のような研究者によってドラスティックに新しい扉が開かれている一方で、我々の本来の健康を損なうほどに旧弊の価値観や利権を必死の守ろうとする勢力との絶え間ない戦いだ。

 タイトルの「WHOLE」は「リダクショニズム」の対義語である「ホーリズム」のWHOLEだ。
「WHOLE」に書かれていることもすべて正しいかどうかはわからないが、少なくとも「日本人の健康と医学に対する常識をくつがえす」という帯のキャッチフレーズは正しそうである。
(文=編集部)

●コリン・キャンベル
コーネル大学栄養生化学部名誉教授。50年以上栄養科学研究の第一線で活躍し、「栄養学分野のアインシュタイン」と称される世界的権威。
300以上の論文執筆を含め多くの調査研究の実績を残したが、なかでも疫学史上世界最大規模といわれる「チャイナ・プロジェクト」(中国農村部の食習慣研究)は、コーネル大学・オックスフォード大学・中国医学研究所による大規模共同研究で「健康と栄養」に関する研究の最高峰とされ、
同研究結果などをまとめたものが『The China Study』(邦訳『チャイナ スタディー』グスコー出版)。
近著に『The LOW-CARB FRAUD』(邦訳『低炭水化物ダイエットへの警鐘』)などがある。

難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

原因不明で治療法がなく多くの患者さんが回復をあきらめていた難治性のむちうち症。東京脳神経センターで進む独自の治療で、めまい、動機、吐き気などの全身症状やうつ症状などの不定愁訴が大幅に改善しているという。その具体的な成果についてお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコン…

杉田米行

一般社団法人日本薬業研修センター漢方講座執筆・編…

笹尾真波

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学…

後藤利夫