糖尿病は「貧困病」か、誰でも発症する「国民病」か?

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貧困と糖尿病はどこまで相関性があるのか?(depositphotos.com)

 WHO 2016年4月の予測によると、世界の糖尿病有病者はおよそ4億2,200万人。2025年までにおよそ7億人以上に達する見込みで、4億2,200万人のうち、約2分の1はワースト5ヵ国(中国、インド、米国、ブラジル、インドネシア)に集中。2025年までに男性の18%、女性の21%が2型糖尿病の原因となる肥満に陥るとされている。

 ワースト3位の米国の糖尿病有病者は9%(3,030万人)、糖尿病予備群は34%(8,410万人)。実に総人口の3分の1以上が糖尿病になる。

 なお、糖尿病の主な種類は1型糖尿病と2型糖尿病の2種類。1型の原因は自己免疫機能の異常で、2型の主な原因は体質(遺伝)と食生活などの環境因子であり、一般的なのは2型糖尿病である。

 糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われる人)3,030万人のうち、糖尿病と診断されている人は2,310万人(76.2%)。診断されていない人は720万人(23.8%)。糖尿病予備群8,410万人のおよそ7400万人(88%)は、糖尿病がもたらす健康リスクを認識していないことが、米疾病対策予防センター(CDC)の2017年7月予測でわかっている。

 日本だけでは、厚労省が2017年9月に発表した「国民健康・栄養調査」から、「糖尿病が強く疑われる有病者」はおよそ1,000 万人、「糖尿病の可能性を否定できない予備軍」はおよそ1,000 万人で、合計2000万人いることがわかっている。

 いかがだろう? データが語るリスクの脅威に身がすくむ。

食料不安があれば、糖尿病リスクは2.5倍も高まる!

 「糖尿病と所得」の関係についても様々な研究がされている。

 たとえば、米国の約14%の家庭が食料不安の状況にあり、食料不安のある家庭の糖尿病リスクは、食料不安のない家庭の2.5倍になるとする研究がある。

 米エモリー大学糖尿病教育訓練学会のBritt Rotberg氏は、ボストンで開催された米国糖尿病協会(ADA)会議で「十分な食費を確保できていない2型糖尿病患者は、食事の心配のない患者に比べると、血糖コントロールが良好にできていない。健康的な食事や食べ物の入手のしやすさも議論する必要がある」とする研究発表を行った。(http://www.diabetes.org/newsroom/press-releases/2015/can-not-having-enough-to-eat-lead-to-poor-diabetes-management.html)

 発表によれば、血糖管理をサポートする教育プログラムに参加した2型糖尿病患者を対象に調査したところ、被験者の3分の2は健康保険に未加入で、76%の世帯年収は1万5,000ドル(165万円)未満だった。

 最近30日以内に十分な食料確保に不安を感じた人は137人、感じなかった人は167人。食料不安のない人は血糖値が有意に良好で、HbA1C値は平均7.6%だったが、食料不安のある人のHbA1C値は約10%だった。BMI(肥満度の指標)は両群とも31だった。

 HbA1cとは、赤血球中で体内に酸素を運ぶヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結合(糖化ヘモグロビン)した数値。糖尿病の人は血液中に糖化ヘモグロビンが増加するので、HbA1cの値を調べれば、過去1~2ヶ月の平均的な血糖価が分かる。日本糖尿病学会が定めるHbA1cの基準値は6.2%未満だ。

 Rotberg氏によると、食料不安のある人は加工食品やファストフードなどを常用しやすく、野菜の摂取量が少ない。生野菜は長持ちしないため買えない人が多いので、血糖管理をサポートする教育プログラムでは冷凍野菜や缶詰の野菜の活用を勧めているという。

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