iPS細胞研究への予算“偏重”という誤り…大学病院が再生医療の治療応用を妨げる

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何を基準に再生医療を受ける場所を選択すべきか?

 一般ユーザーにとって再生医療の現状も未来は非常にわかりにくい。明るく語られ過ぎる未来像より、自分や家族が受けることができる可能性のある再生医療を具体的に知りたいのだ。

 石塚氏は次のように語る。
「日本の再生医療の将来は、硬直化しトライアルな姿勢を見せない大学病院などより、レギュレーションをきちんと守りながら意欲的で先進的な治療に取り組む民間のクリニックのほうが可能性があると考えています」

 さらには「再生医療の難解な基礎研究の話は患者さんからは遠すぎる。お肌が健康的になる、膝の痛みがなくなるなど治療感のほうが重要です。そうした患者さんたちの治療効果の欲望こそが、再生医療の未来を切り拓くはずです」とする。

 再生医療新法では、その安全性を確保するため、治療で使用細胞などのための細胞培養加工施設(CPC)は、国が定めた基準を満たす必要がある。さらに実際の治療のためには、再生医療等提供計画を厚労省に提出し、その内容が専門家などで構成される認定再生医療等委員会で審議され承認されることが義務づけられるなどさまざまな安全性の確保策が盛り込まれている。

 石塚氏は「正直、再生医療には明確な基準があるようでない。その評価システムも確立されていない。テーマが多すぎて基準が作れないのです。再生医療新法ができたということは、最低限の品質を担保するために一定評価できるではないでしょうか」としながらも、「再生医療では、それぞれのクリニックや病院で独自の技術や数値の表示方法などあり、玉石混合状態。一般の方には非常にわかりにくいのが現実です。更に問題なのは、明らかに不適切な表現がホームページに載っていても、それを指摘する専門家の声が聞こえないことです。専門家個人で指摘するのは難しい問題もあるでしょうが、今後、学会や認定再生医療等委員会が指摘、指導しても良いのではないでしょうか」と言う。

 それなら、これほど混沌とした再生医療の世界で、どの再生医療クリニックをどう選べばいいか。再生医療を受けようと考えた思ときにどんな点に注意すればいいかを聞いてみた。

「もちろんきちんとした届出を行っているか、細胞培養士などの専門職が在席しているかなどの事実関係は見たほうがいいのですが、何より重要なのはそのクリニックのポリシーだと思います。ドクターと話してみて、その医師は儲けたいだけなのか、何を楽しみに治療をしているのか、ちゃんと人の話しを聞いてくれるのかなどを知ることができると、おのずと治療費の構成が適切なものかどうか予測できるはずです。また、特殊なケースかもしれませんが、再生医療を理解している専門家(医師や研究者)が傍にいれば、アドバイスを求めてみては、如何でしょうか。」とアドバイスする。

 日本の再生医療の未来は、本当に患者さんたちの欲望と欲求からなる見えざる手に導かれるのだろうか? あるいは、いつかは統一された基準によって提供される医療の質の透明化が可能になるのだろうか? まだまだ目が離せない。
(文=編集部)

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石塚保行(いしづか・やすゆき)
株式会社バイオ未来工房チーフコンサルタント。
農学博士、imidasのバイオテクノロジー担当、東京農工大学非常勤講師。東京農工大学(修士)でアミラーゼの研究、筑波大学(博士)でレニン-アンジオテンシンの研究を行い、その後、食品メーカーや製薬メーカーで研究職を務め、10年前にバイオベンチャーを設立。


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