特集「いま注目される健康成分『ノビレチン』」第3回

体内時計を調節!? 注目の「ノビレチン」が睡眠障害や夜間頻尿に効く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
狂いがちな「体内時計」を調節!? 注目の「ノビレチン」が睡眠障害や夜間頻尿に効くの画像1

「ノビレチン」が睡眠障害や夜間頻尿に効く(depositphotos.com)

 生物の体に備わる「体内時計」は、約24時間周期で自転し、昼夜の交代がある地球のリズムに適応して生きるための仕組みだ。

 現代人は、生活習慣やストレスの影響で、体内時計が狂いやすい。シークヮーサーなどの柑橘類に含まれるフラボノイド「ノビレチン」は、体内時計の働きを保つのに有用との研究が発表され、注目されている。

時計遺伝子のメリハリをつける

 ノビレチンの体内時計に関する効果については、早稲田大学の柴田重信教授(先進理工学部)らが研究論文を発表している。ノビレチンは時計遺伝子の一つ「Per2」の働きにメリハリをつける作用があるという。以下に詳しく見ていこう。

 体内時計の働きは「時計遺伝子」と呼ばれる遺伝子が担っている。「Clock」「Bmal1」「Per」「Cry」といった時計遺伝子が一定の周期で規則的にタンパク質を産生し、約24時間周期の概日リズムが作られるのだ。

 主体となるのはClockとBmal1。日中にかけて増えるタンパク質と、夜間にかけて増えるタンパク質を産生し、昼夜交代の大きな波をつくる。波が大きすぎてもうまくリズムにならないので、PerやCryなど他の時計遺伝子が産生するタンパク質が関わり、リズムを調整している。

 しかし、何らかの要因によって時計遺伝子の1日の変動幅が小さくなると、体内時計の働きが弱まってしまう。例えば、高齢になると、朝早くに目が覚め、日中や夕方に眠くなる人が増える。こうした変化も、時計遺伝子の増幅が弱まったり、周期がズレてしまったりするためだ。

 しかし柴田教授によれば、ノビレチンの摂取によってPer2の変動幅が増えると、リズムのメリハリがつき、体内時計の乱れを改善する作用が期待できるという。

 さらに、ノビレチンに体内時計の周期を延長する(後ろにずらす)作用も認められている。周期の延長は、高齢者に多いとされる睡眠相前進症候群(体内時計の進みが早く、夕方に寝てしまい、社会適応できない睡眠障害)の治療に応用できる可能性がある。

 柴田教授はさまざまなフラボノイドについて検討した結果、ノビレチンには特に体内時計の調節や周期延長作用が強く見られたと報告している。

睡眠障害治療の新たな幕開け!個人に必要な睡眠の「量」と「質」を決める遺伝子を探せ
インタビュー「睡眠障害治療の最前線」後編:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授

前編『『人間の「脳」は7時間程度の睡眠が必要! 本当のショートスリーパーは100人に1人程度!?』』

ひとくちに睡眠障害といっても、さまざまな症状がある。1990年代後半から脳内に眠気を誘う「睡眠物質」を探す研究にスポットライトが当たり、2018年からは睡眠の質と量を決める遺伝子の解析も進められている。今回は睡眠障害について、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の佐藤誠教授に話しを聞いた。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

鈴木龍太

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆