妊孕性温存治療の3つの選択肢
妊孕性温存治療とはどのようなものか?
日本がん・生殖医療学会のホームページ「若年がん患者の妊孕性の温存」によると、若年女性がん患者の妊孕性温存治療とは、①卵子凍結、②受精卵凍結、③卵巣組織凍結の3つの選択肢がある。
実際にどの「がん・生殖医療」を選択するかは、①がんの種類、②がんの進行の程度、③抗がん剤の種類、④化学療法の開始時期、⑤治療開始時の年齢、⑥配偶者の有無などによって決定することとなるという。
しかし、同ホームページでは、妊孕性温存治療の前提条件をこう記している。
「何よりも原疾患の治療が最優先事項であり、がん・生殖医療の提供はその治療が遅延なく実施できることが原則となり、本治療は原疾患の治療を担当する医師によって妊孕性温存が可能であると判断された場合においてのみ実施される医療となります」
つまり、がん患者は、妊孕性温存治療という選択肢があることを知っていることも大事だが、最優先事項は「がん治療」であることもきちんと認識していなければならないのだ。いくら患者が「将来、子どもを産みたいから」という理由を優先させたくても、がん治療をないがしろにすることはできない。
がんの発見から治療に至るまでは、さまざまな選択肢が突きつけられる。それは患者だけでなく、患者の家族も同様だ。そんな中で、妊孕性温存治療が可能かどうか、担当医に問えるくらいの知識は持っていることも大切だ。
(文=編集部)