がん治療で妊娠できなくなる可能性を避けるには? 妊孕性温存治療を知ろう

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
妊孕性温存治療とは? がん治療の影響で「妊娠」できなくなる可能性を避ける方法の画像1

がん治療を受けても卵子凍結などの方法で子どもを授かることが可能に(depositphotos.com)

 8月11~12日、国立がん研究センターで「Japan Cancer Forum(ジャパンキャンサーフォーラム:JCF)2018」が開催された。

 JCFの目的は、日々進歩する各種がんの最新情報、がん医療で現在問題となっているテーマを取り上げ、患者・家族、そして一般の人々が、がんを「知り」「学び」「集い」、勇気・希望が持てるフォーラムとすることだ。

 そして、がん対策推進基本計画にもある「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す」ことを目的とした、日本最大級のがん医療フォーラムだ。

 5年目となる今年は「大腸がん」「胃がん」「乳がん」「肺がん」「前立腺がん」などの5大がんのほか、罹患者数が少ないがん、お金や就労、栄養など、生活周りの情報も提供された。

「妊孕性温存治療」の周知を

 また、この2日間で開催された、数々の講演やシンポジウムのなかでも、注目されたひとつは「がんと妊娠」をテーマにしたシンポジウム。副題として「オンライン相談の可能性~がんにおける妊孕性温存治療の日本現状を考える~」と銘打たれている。

 登壇者は、岐阜大学医学部付属病院・産科婦人科・臨床教授の古井辰郎氏、医療法人鉄蕉会・亀田総合病院・生殖医療科部長の川井清考氏、ライフネット生命保険株式会社・代表取締役社長の森亮介氏、埼玉医科大学・総合医療センター・産婦人科・教授の高井泰氏(司会)。

 現在、世間の多くの人には、①がん治療の影響で妊孕性(にんようせい:妊娠する力)が低下・消失してしまい、将来、子どもを授かることができなくなる可能性があること、そして、②将来、子どもを授かる可能性を残すために「妊孕性温存治療」という医療技術があることは知らない。

 実際、このことを知らずにがん治療を実施し、子どもを授かるチャンスを失ってしまったことを後から知って落胆する、がん患者も少なくないという。

 そのような悲劇をなくすために、妊孕性に関する課題を多くの人が知り、がん患者が、将来子どもを授かるチャレンジがしやすい社会環境となるよう、今回のシンポジウムのテーマが設定された次第だ。

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子