未来顔を見て「日焼け」の習慣を改める
さらに1カ月の追跡調査が実施された結果、3郡に振り分けられた学生間でも、①群には明らかな「日焼け意識」への変化が読み取れた。彼らは②③群の学生に比べ、日焼けマシーンによる日焼け頻度が「60%低下」し、屋外での頻度も「12%低下」していたのだ。
「私たちの財団は、危険で死に至る可能性も有する日焼けの回避を促している。その回避のためには、あらゆる取り組みを支持したい」とは、その筋の専門家にして皮膚がん財団のElizabeth Hale上級副理事長が今回の研究成果に寄せた表明だ。
幸い日本は、韓国やタイと並んで、世界で最も「皮膚がん」の少ない国である。最も多いオーストラリアやニュージーランドの皮膚がん罹患率に対して、およそ100分の1、死亡率でも40分の1から20分の1の幅で違うという。
そんな白色人種の罹患率や死亡率を知れば、Hale上級副理事長の危機感も了解できるだろう。「紫外線には発がん性があることが証明されている」と前置きし、彼は次のように語っている。
「日焼けは屋内か屋外かにかかわらず、若年期からの皮膚の老化、具体的にはシワやたるみなどをもたらし、危険性の高い皮膚がんの発症にもつながる可能性を否めない」
止まれ。日焼け好きにも国境はないだろう。しかし、最近のWHO(世界保健機関)の報告でも、日焼けサロン(sunbed)の危険性が指摘され、18歳以下の使用を禁止するよう勧告されているのだ。
(文=編集部)