サウナに水風呂があるワケは……
●水分補給
まず、入る前に水分補給をしっかりと行うこと。水分不足はサウナでなくても危険だ。「サウナに入る=汗をかく」であるので、水分をあらかじめ摂っておく。できれば、塩分も補給しておくのがいいだろう。
●無理をしない
当たり前だが、人によってサウナの熱さが得意な人もいるし、苦手な人もいる。体力も違うし、年齢も違う。よって「15分入る必要がある」などの一般化は、あまり意味がない。
その日の体調も含めて、臨機応変に対応する必要がある。そもそも、我慢比べや身体を鍛えにサウナに入るわけではないので、無理はしない。「人それぞれ」という意識を忘れないようにしよう。
●水風呂の代わりに外気温を利用する
サウナの後に水風呂に入ると「疲労物質を取り除くために有効」と言われている。その目的は「身体を冷やし、血流を良くするため」だ。無理に水風呂に入らなくとも、サウナから出て外気に当たるだけで充分に効果がある。
サウナの本場であるフィンランドをはじめとする北欧では、サウナは外に設置されていて、サウナに入った後は、外気に触れ何も考えずにぼーっとするのが日常である。
日本では野外にサウナを作ることが難しいため、身体を冷やすために水風呂が設置している。サウナから出て、外気に当たれる環境であるなら、そこでゆっくりと身体を冷やせばいい。
サウナに入るのは水風呂が目的ではなく、身体をほどよく冷やすことが目的であることを意識してみよう。
●ダイエット目的ではサウナに入らない
サウナには、残念ながらダイエット効果は期待できない。汗をかくので体内の水分は減るが、それが継続的なダイエットにつながらないことは、容易に想像できるはずだ。
●デトックスは効果はない
さらに最近、興味深い論文が発表された。「汗をかくことによるデトックス効果はほぼない」というものである(参考:デトックスはサウナ・運動よりも快便が効果的~汗2リットルで毒素排出はわずか1%?)。サウナでデトックス効果を期待するのはやめよう。
サウナの効果はリフレッシュ
どんなものだって使い方を間違えば危険が伴うように、サウナも入り方を間違えれば脳梗塞などで倒れてしまうこともある。
ただし、「サウナの効果」についてはさまざまな研究報告がされているものの、正直わからないことも多い。しかし、それで気持ちよくリフレッシュできるならば、それだけでも意味はある。本来、サウナはそういうものだ。
つまり「サウナの効果とは何か?」と問われたら、結局「気持ち良い」ということにつきる。
汗をかくこと自体が気持ちが良いし、リフレッシュになる。さらに、スマホを触れない環境に強制的に居ることは、無意識につながっている余計な情報もシャットアウトされ、頭の中をすっきりすることができる。
サウナに入りながら瞑想を行うのも良いだろう。迷惑がかからない程度に、友人と会話を楽しんでもいい。「気持ち良いから入る」という程度の気軽さで楽しいでほしい。
ぜひ、安全なサウナの入り方を再確認して、気軽な気持ちで楽しんでみよう。その結果、健康になればなお良しである。
(文=編集部)
●参考文献
1,Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events. JAMA Intern Med. 2015 Apr 1; [PMID: 25705824]
2, Sauna bathing reduces the risk of stroke in Finnish men and women
Setor K. Kunutsor, Hassan Khan, Francesco Zaccardi, Tanjaniina Laukkanen, Peter Willeit, Jari A. Laukkanen
Neurology May 2018, 10.1212