西城秀樹は水分補給で延命できた?(写真はCD『GOLDEN☆BEST デラックス 西城秀樹 Original recording remastered』より)
2度の「脳梗塞」に見舞われながらも過酷なリハビリを粘り強く行ない、還暦を超えても歌手活動を諦なかったものの、今年(2018年)5月16日に急逝した西城秀樹さん(享年63)。最期は「急性心不全」に倒れ、63年の短くも早すぎる生涯を閉じた。
急逝の遠因となったのが、脳梗塞であったことは想像に難くない。生前の西城さんの罹患体験談を検証し、脳梗塞の徴候を重ねてみると、確かにそこには数々の典型例が読み取れる――。
西城さんに起きた脳梗塞の徴候
まずは、ゆがんだり顔の片方だけが力なく下がってしまう「顔面の麻痺」。西城さん(当時48歳)は韓国公演中、最初の徴候を「どうにも疲れがとれず、口元が下がっていた」と語っている。
また、脳梗塞でよく語られる「ことば」の問題についても、自宅の2階寝室から1階に降りる際、足元がもつれて転げ落ち、「その日のリハーサルも問題なくこなしたけれど、ろれつがおかしいというので、仕事を終えてから、かかりつけの病院に行った」と明かしている。
脳梗塞の徴候には他にも、両腕を左右並行に上げても次第に片腕が力なく下がってしまう「腕の麻痺」などがある。
この徴候を体験記で残しているのが、コメディアンの故・坂上二郎さん(享年69)。ゴルフ場でアイアンショットを打とうとした際、左手がクラブからぶらんと下がり、右手のみで懸命に挑んたが、その異様さに坂上さん自身が気づいてなかったという。
「隠れ脳梗塞」の症例は40代で3人に1人、50代で2人に1人
西城さんの体験談に話を戻せば、再発して緊急入院した夜をこう語っている。
「その晩、トイレに立とうとしたところ、ベッドから転げ落ちた。磁気共鳴画像装置(MRI)による検査で、血管が詰まっているのがわかった」
このように脳梗塞とは、脳血管が閉塞または狭搾して脳虚血をきたすことで、脳組織が酸素や栄養の不足によって壊死(あるいは壊死に近い)状態になる疾患だ。
しかも微小血管に脳梗塞が起こる初期段階では、ほとんど症状が出ない「隠れ脳梗塞」の症例が、40代で3人に1人、50代で2人に1人の割合で増えているという。