高齢でも若々しい「脳」を維持できる!? 今日から始める脳の老化対策とは?

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高齢になっても若々しい「脳」が維持できることが判明!?(depositphotos.com)

 認知症の問題をいち早く取り上げ、1972年にベストセラーとなった有吉佐和子の長編小説『恍惚の人』。その英訳名は『The Twilight Years』という――。

 いまや「ボケ老人」の俗称も死語と化し、「認知症」の呼び名が定着したが、それでもやはり「The Twilight Years(黄昏時)」という表現のほうが何倍も洒落ている。

 その黄昏現象の呼び名は別としても、人間も高齢になると「脳細胞が減る一方で、決して増えることはない」、そう考えて疑わないというのが一般的な脳(細胞)の捉え方だろう。

 ところが、その一般常識を覆すに足る新知見が『Cell Stem Cell』(4月5日オンライン版)に掲載されて話題を集めている。

 これは急死した各世代の男女28人(14~79歳)の脳の海馬を剖検を経て、米コロンビア大学の研究陣が導いたかなり画期的な結論である。

 サルやマウスを用いた従来の基礎研究では、高齢を迎えるに従って脳細胞を新しく生成する能力は失われることが示されてきた。ところがヒトの脳の研究においては異なる結果が得られてきたものの、結論には至っていなかった……。

高齢者も海馬で新しい神経細胞を生成

 脳の海馬はヒトの記憶や学習に重要な役割を担う。その海馬で、前駆細胞から新しい神経細胞(ニューロン)を生成する能力がある。その点は高齢者においても若い人と変わらない可能性が強い――。

 このような示唆が、今回の研究でなされたのだ。

 28人の剖検対象者には、「認知症」やその他の神経疾患、精神病性障害の診断を受けた人は皆無だった。

 剖検に際し、高齢層と若者層の脳を比較した結果、中間型の前駆細胞と未熟な神経細胞がほぼ同数見つかった。加えて、海馬の容量に関しても年齢における差はとくに見られないとの結論も得られた。

 ちなみに神経細胞は、電気信号を発して情報のやりとりを行なう特殊性に富み、脳を構成するいわば「主役」だ。その数は大脳で数百個、小脳で1000臆個、脳全体では千数百臆個にものぼる。

 一方、前駆細胞は、幹細胞から発生し、体を構成する最終分化細胞へと分化することのできる中間位置の細胞だ。主に、古くなったり傷ついたりした組織の再生に利用される。

 研究を主導した同大学准教授のMaura Boldrini氏は、成果の意義を次にように語る。

 「今回の結果は、ヒトの場合は高齢になっても脳内に前駆細胞が存在することを示唆できた。これは高齢者にとって朗報と呼べるだろう」

 ただし、健康な79歳の人の脳と、50歳も開きのある29歳の若々しい人の脳とが、「全く同じでいうわけではない」と、Boldrini氏は説明する。

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