診断基準の改定でドライアイ患者が3割増える! 予防に世界初の測定アプリも登場

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診断基準の改定で患者が増加

 順天堂大学医学部の研究グループは、2016年の「ドライアイ診断基準の改定」を受けて調査を実施。

 その結果、旧診断基準において「ドライアイ疑い」と診断されていた患者の80%が、新診断基準では「ドライアイ確定」と診断。ドライアイ確定患者数は33%も増加することが明らかになった。この研究は『Scientific Reports』(2018年1月30日)に発表された。

 オフィスワーカーでは3人に1人がドライアイという報告もある。パソコンやスマートフォンなどのモニターを見続けることで、まばたきが減少して涙が乾きやすくなる。

 そして、オフィスの空調で室内が乾燥する。さらに、緊張時には涙の分泌は減少する。以上のことから、現代人はドライアイになりやすい生活を送っているといえる。

 ドライアイの主な症状は、冒頭で挙げた12項目である。しかし問題は、不快感だけではない。視力低下を招くのだ。加えて、涙は目の表面を潤すだけでなく、角膜や結膜の細胞に栄養を供給しているので、ドライアイだと目の表面の細胞に傷ができやすくなる。

 ドライアイかどうかは、一般的に涙の量を調べる「シルマー試験」を行って診断される。専用のろ紙をまぶたの縁に挟んで、5分間でどのくらいの長さが濡れるかを調べる。短時間の検査なので、ドライアイの可能性がある人は眼科の受診を強くお勧めする。

 ドライアイと生活習慣の関連性を明らかにする試みもある。

ドライアイと生活習慣に関連が?

 順天堂大学が2016年11月2日にリリースした「ドライアイリズム」は、「ドライアイや眼精疲労といった症状と生活習慣の関連性を明らかにする」ための世界初のアプリケーションである。

 ドライアイリズムを使用することで、ドライアイや眼精疲労といった目の症状を「ドライアイ指数」としてチェックできる。また、運動や睡眠、水分摂取量といった生活習慣を同時に計測することで、ドライアイと生活習慣の関連性を明らかにする。

 ドライアイ指数の計測には、実用視力、まばたき回数の測定、ドライアイ質問紙票(OSDI)を用いる。

 加えて、日々のストレス、睡眠時間、VDT作業(パソコン、スマホなど、モニターを見つめる作業)の時間、便の回数、水分摂取量などを記録し、ドライアイとの相関性を確認することができる。

 ドライアイは、眼精疲労、目の痛みやかすみ、頭痛、肩凝りなど、さまざまな症状を引き起こす。症状の変動について、できるだけ正確な情報を集められれば、症状が出る前に予防することや、回復を早めたりすることができると同大学医学部の研究グループは考えたようだ。

 ドライアイのほとんどが、ライフスタイルの影響を受けている。スマートフォンなどで目を酷使しない、肌と同様に目も適度に加湿する、目がゴロゴロするときはコンタクトレンズをやめてメガネを使用するなど、自分の目をいたわってほしい。
(文=編集部)

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