連載「眼病平癒のエビデンス」第17回

乾燥するのに涙目になる、冬場のドライアイの原因、治療法は?

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涙道が細くなったり、閉塞している可能性も

 また、「外出すると涙が出る」という方の中には、「去年までは冬場に外出時だけだったのに、今年は室内でも、しかも温かい季節でも涙が出ます」という方もいることでしょう。

 この様な場合は、ドライアイやアレルギー反応のみならず、涙道が細くなったり、閉塞している可能性があります。

 いずれの場合も眼科では、症状を詳細にお聞きした上で、一般的な流涙の検査やドライアイの検査も行います。流涙の検査は、角結膜の診察を行った後に、涙道が詰まっていないかを調べます。涙点から涙道に水を入れ、水がきちんと鼻側に流れるかを確認する通水検査などを行います。通水検査により、機能的な問題か涙道が閉塞しているかを確認します。ドライアイの検査は、涙が蒸発する時間を測定したり、角結膜・まぶたなど眼の表面の状態を診察します。

ドライアイや涙目の治療法は?

 涙道の閉塞がなく、ドライアイと診断されれば、涙の通り道を広げるような治療ではなく、人口涙液などの点眼でドライアイに対する治療することになります。また、寒冷アレルギーに対する抗アレルギー剤の点眼が処方されることもあります。

 一方、涙道が狭くなっていたり、閉塞している場合は、通常の涙目の治療法として、チューブを通す方法などがあります。しかし「痛そう、怖い」などの理由や、「どうせ年だから」と思い込み放置しておられる方も多いようです。

 涙道にチューブを通す治療を行うと、約9割方が涙目から解放されるというデーターもあります。また、完全に通り道が閉じていない場合は、お水を通すだけでも一時的ですが楽になることがあります。定期的(2週間から1か月くらい)に通院して、お水を通す治療を受けている方もいます。痛い治療、怖い治療は嫌だという方にはお勧めかもしれません。「どうせ年のせいだから……」と諦めず、一度眼科で相談されることをお勧めいたします。
(文=高橋現一郎)

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高橋現一郎(たかはし・げんいちろう)

東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授。1986年、東京慈恵会医科大学卒業。98年、東京慈恵会医科大学眼科学教室講師、2002年、Discoveries in sight laboratory, Devers eye institute(米国)留学、2006年、東京慈恵会医科大学附属青戸病院眼科診療部長、東京慈恵会医科大学眼科学講座准教授、2012年より東京慈恵会医科大学葛飾医療センター眼科診療部長。日本眼科学会専門医・指導医、東京緑内障セミナー幹事、国際視野学会会員。厚労省「重篤副作用疾患別対応マニュアル作成委員会」委員、日本眼科手術学会理事、日本緑内障学会評議員、日本神経眼科学会評議員などを歴任。

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