虚弱体質やアトピーも子供のうちに「漢方薬」で治すのが肝心

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

子供の虚弱体質やアトピーは、どうやって治す?

 一年中、風邪をひきやすく、すぐ熱を出したり、嘔吐したり。いろいろ検査をしても特に異常がみつからないものを「虚弱体質」と呼んでいる。子供の虚弱体質は、漢方薬で9割は治すことができる。

 ひとくちに虚弱体質といっても、5つのタイプがある。

 まず「①消化器型」は、食が細く、嘔吐・腹痛が多い。「②呼吸器型」は、風邪を引きやすく、気管支炎や水溶性鼻汁がある。「③扁桃型」は、扁桃炎で熱を出しやすい。「④神経型」は、イライラ、夜泣き、疳(かん)の虫が強い。「⑤循環器型」は、めまい、たちくらみなど起立性調節障害を伴うことが多い。

神経型の虚弱体質は、親子とも漢方薬を服用する。治療では、タイプ別に異なった漢方薬が用いられる。

虚弱体質やアトピーも子供のうちに「漢方薬」で治すのが肝心の画像2

「漢方e-learning」(地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)より

①消化器型:子供が元気になるとされる「小健中湯(ショウケンチュウトウ)」が用いられる。

②呼吸器型:古くから気管支ぜんそくなどに用いられてきた「麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)」を使う。

③扁桃型:服用しているうちに扁桃腺が小さくなるとされる「柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)」を用いる。

④神経型:親と子、お互いのイライラが伝わって、お子さんの疳の虫やイライラが生じやすいと漢方医学では考える。そのため親子ともに「抑肝散(ヨクカンサン)」を服用する。

⑤循環器型:たちくらみなどに効果があるとされる「苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)」が用いられる。

 これらの漢方薬を2〜3年服用してもらう。できれば小学校入学前に治療を始めると、治りやすい。一度完治すると、再発しないのも漢方薬のすぐれた点だ。

赤ちゃんのアトピーは、母乳経由で漢方を投与

 子供のアトピー性皮膚炎も、漢方薬で完治させることが可能だ。「経母乳投与」といって、漢方薬を母親が服用することで母乳経由で赤ちゃんに薬の成分を届ける。赤ちゃんのうちに治療を始めることで、ほとんどの子が完治し、再発はないという。

 漢方医学には、「養生」という自然と共生するという哲学が根底にある。病気になる前の段階、「未病」のうちに養生をすることが大切になる。

 病気の根っこは、かなり前から始まっており、それは子供でも例外ではない。子供も不健康への道はすでに始まっており、その証左として、最近では子供の生活習慣病(肥満や高脂血症、動脈硬化など)も問題になっている。

 年齢を経てからの軌道修正は大変だ。子供の頃から、食や運動での養生と、漢方薬により、未病のうちに病の芽を摘み取っていきたい。
(取材・文=渡邉由希/医療ライター)

渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授。1984年、慶應義塾大学医学部卒業、同年、同医学部内科学教室。90年、東海大学医学部免疫学教室助手。91年、米国スタンフォード大学遺伝学教室ポストドクトラルフェロー。95年、北里研究所応用医学総合研究所。2001年、慶應義塾大学医学部東洋医学講座(現漢方医学センター)准教授。13年より現職、並びに大学院政策・メディア研究科教授、医学部兼担教授。
日本東洋医学会専門医、日本内科学会総合内科専門医・指導医、アメリカ内科学会上級会員、日本プライマリケア連合学会認定医・指導医、日本漢方生薬ソムリエ、修琴堂大塚医院 医師の他、WHO-FIC 国際疾病分類 医学科学アドバイザリー委員会委員、神奈川県顧問、奈良県顧問、漢方産業化推進研究会理事長も歴任。

難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

原因不明で治療法がなく多くの患者さんが回復をあきらめていた難治性のむちうち症。東京脳神経センターで進む独自の治療で、めまい、動機、吐き気などの全身症状やうつ症状などの不定愁訴が大幅に改善しているという。その具体的な成果についてお話を伺った。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 顕歯会 デンタルみつはし 理事長…

三橋純

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆