インタビュー「『射精障害』での不妊が増えている」第2回:岡田弘医師(獨協医科大学埼玉医療センター・泌尿器科主任教授)

処女と童貞で結婚、一度もセックスができない<未完成婚>の原因は……

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

未完成婚〜処女と童貞のまま結婚して1度もセックスなし

 そして、岡田氏はこう続ける。

 「なかには処女と童貞のまま結婚して、1回もセックスできてないという夫婦もいて、それを『未完成婚』と言ったりします。しかし、そういう夫婦でも、いまは人工授精で子どもをもうけることができます。セックスと生殖を切り離して、『まずは人工的な方法で子作りをしてみては』と勧めるケースもあります」

 まずはバイアグラなどの勃起の補助薬を使ってもいいし、それでもダメならいよいよ人工授精を試してもいい。面白いことに、1人目ができると、2人目はまったく医療の力を借りずに自然にできるケースも結構多いという。

 「1人目が人工授精でできると、2人目は普通にできるんです。安心して<呪縛が解ける>んでしょうね。『2人目できました』と夫婦でお子さんを連れて挨拶に来ますよ。いつの間に作ったのと(笑)」

 「『あのとき、あんなにできなかったのはなんだったんでしょうねえ』と言ったりします。結局、1人目のときには『子どもを作らないといけない』というプレッシャーが強すぎたのかもしれませんね」
(取材・文=里中高志)

岡田弘(おかだ・ひろし)
獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科主任教授。医学博士。1980年、神戸大学医学部医学科卒業。1985年、神戸大学大学院医学研究科博士課程修了。1985年から87年にかけてDepartment of Urology, Department of Microbiology and Immunology, New York Medical Collegeに留学。三木市三木市民病院泌尿器科主任医長、神戸大学医学部助教授、帝京大学医学部泌尿器科助教授を経て現職。著書に『男を維持する「精子力」』(ブックマン社)がある。

処女と童貞で結婚、一度もセックスができない<未完成婚>の原因は……
インタビュー「『射精障害』での不妊が増えている」第2回:岡田弘医師(獨協医科大学埼玉医療センター・泌尿器科主任教授)

「非婚化」「晩婚化」と並び、結婚した夫婦の間でも子どもができなくなっていることが、人口減少の一因であることは論をまたない。獨協医科大学埼玉医療センターの泌尿器科主任教授・岡田弘氏の診察室には、男性が原因で不妊となっている夫婦が数多く訪れる。なかでも近年、急速に増えているのが、挿入はできるが女性の中で射精できない「膣内射精障害」だという。

Doctors Select

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆