難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?

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難治性むちうち症が改善!写真提供:東京脳神経センター

 交通事故などで、首が鞭のようにしなり捻挫をするむちうち症。むちうち症患者の約2割は、後遺症に悩んでいると言われる。首や肩のコリだけでなく、吐き気・めまい・口渇感・多汗・冷え性・血圧不安・うつ状態など全身の不定愁訴が見られるのが特徴だが、原因不明で西洋医学的な治療法が見つかっていなかった。

「今までどこの病院でも治せなかった病気を治す」という使命のもと、東京大学医学部出身の脳神経外科医・神経内科医・整形外科医・婦人科医が集結し、脳と全身の不定愁訴の診療を行っている、東京脳神経センターの研究チームが、この難治性むちうち症にいどみ、このたび、臨床の成果を論文発表(BMC Musculoskelet Disord)した。難治性むちうち症のメカニズム解明への第一歩となると期待される。

治療は首のうしろを低周波と遠赤外線で刺激

 具体的な治療法は、首の後ろの局所を電気刺激し、赤外線照射で血行を良くするというもの。局所は、指で押して痛みや不快症状がある部分を選ぶ。電気刺激は、低周波タイプ(SSPとPain topra)、赤外線は周波の長い遠赤外線である。これを1回15分か25分、1日2回行う。

 たったこれだけの治療で、辛い全身の症状が大幅に改善するケースが多いという。特に、うつ症状や強迫観念といった精神症状は100%の回復が見られた。

「興味深いのは、直接刺激をしている頸や肩のコリや痛みといった症状の回復が50~60%である点です」と話すのが研究に携わった川口浩整形外科・脊椎外科部長。

 首のコリをほぐすと、首そのものよりも、全身の症状のほうがより改善する。つまり、首のコリが全身の不定愁訴につながる何らかのメカニズムとして存在していると推測できるのだ。

「頸部筋群の間には、副交感神経が通り全身に広がっています。難治性むちうち症の全身症状には、副交感神経が関与しているのではないか。私たちのチームはこう考えています」
研究チームが追い求める「何か」の糸口は、副交感神経であるというのである。

難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

原因不明で治療法がなく多くの患者さんが回復をあきらめていた難治性のむちうち症。東京脳神経センターで進む独自の治療で、めまい、動機、吐き気などの全身症状やうつ症状などの不定愁訴が大幅に改善しているという。その具体的な成果についてお話を伺った。

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