「避妊の手間からの解放」と閉経をポジティブにとらえる
日本の女性たちは、「月経」「閉経」といった女性特有の生理現象に対して、マイナスイメージを抱いていないだろうか。月経は面倒くさいものであり、閉経に対しては「女じゃなくなる」とネガティブにとらえている意見もネット上では散見する。
こうしたマイナスイメージは、日本だけのようだ。津田塾大学の三砂ちづる教授の著書『オニババ化する女たち』(光文社新書)によれば、ブラジルアマゾンに住む先住民族は、女性は閉経すると「これでもう妊娠しないから、気にせず性生活を楽しめる」と喜ぶそうだ。
同じ傾向が欧米人にも見られ、「避妊の手間からの解放」「もっと自由に性生活を楽しめる」とポジティブにとらえると世界的な栄養のコンサルタント、エリカ・アンギャルさんもインタビューで語っている(https://joshi-spa.jp/785741)。
こうした性文化の違いが、性生活にも反映されているのだろう。
加えて、日本には「女性が性欲を持つのは恥ずかしいことだ」という偏見もある。 性欲は、睡眠欲と食欲とともに人間の3大欲求とされているが、女性は性欲を肯定しにくかったことから、性生活を楽しめないのかもしれない。
「高齢になれば性欲が減退することが、自然の流れである」といった見方はあるものの、人生100年時代が来つつある中で、女性が閉経を迎える45~55歳で性生活をストップさせるのは寂しいことではないだろうか。
これまで当サイトで紹介した骨盤底筋トレーニング(「膣のゆるみ=老化のせい? 「骨盤底筋」を鍛えると<膣が若返る>」)は、性機能アップだけでなく尿失禁や骨盤臓器脱を防ぐ効果もある。
「オンナ」であり続けようと心がけることが、健康維持にも役立つ。だから日本人の女性たちも「年齢を重ねても女として楽しめるし、閉経すればもっと性生活が自由になる」と意識を変えるのはどうだろうか。
(文=編集部)