「デートレイプドラッグ」の特性と悪用された際の対処法
次に「デートレイプドラッグ」の特性と悪用された際の対処法について説明しよう。
体に力が入りにくい、眠気、記憶が薄れる、危険に対して無防備になるなどの症状が出現した時は、要注意である。最近はこれらの危険薬では、アルコールなどの飲み物に混入されると、青色に変色し、危険信号を発するように工夫されている薬剤もあるので、あらかじめその事実を認識することも必要であろう。
悪用された際の対応は、ただちに警察や支援団体に連絡すること(注2)。医療機関を受診して、薬剤の使用を証明するために、採血と採尿を受けること。
そして、そのような被害にあわないために重要なことは、インターネットなどで「デートレイプドラッグ」の存在や危険性を認識する必要があろう。
注1:ラッシュ(RUSH):亜硝酸エステルが主成分の薬剤。以前は狭心症治療薬として医療用に使用されていた。血圧低下、拍動強化作用がある。吸引して使用する。数十秒間の酩酊感覚が生じる。我が国では市販されていないが、違法に出回っている。インターネットでの購入も可能。国際郵便で輸入しようとして、摘発されたケースもあった。2010年頃に我が国では「危険ドラッグ(吸入薬)」として代表的地位を占めた。
注2:性暴力の被害者のための支援機関や「デートレイプドラッグ」関連の支援団体は全国に45か所存在する。そこでは主に、医療支援、心理カウンセリング、警察などとの捜査手続きなどの便宜を取り扱ってくれる。運営団体は民間のものや地方公共団体が開設したものも。なお性被害に関しての相談窓口として、警察の全国共通ダイアルは「#8103」となっている。