腸内細菌が「がん治療」を左右する!? 「免疫チェックポイント阻害薬」の効果に影響

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
腸内細菌が「がん治療」を左右する!? 「免疫チェックポイント阻害薬」の効果に影響の画像1

腸内細菌が「がん治療薬」の効果を左右する?(depositphotos.com)

 我々の腸内には、100種類以上、数にして約100兆個ともいわれる細菌がいる。近年、「腸内細菌」は腸だけでなく、全身の健康やダイエット、美容にも深い関わりがあると注目されている。

 メディアでも「腸活」や「腸内フローラ」などが取り上げられ、見聞きしたことも多いだろう。今回、その腸内細菌が「がん治療」に影響を及ぼす――という興味ぶかい研究結果が報告された。

 これまでの「抗がん薬」とは異なる機序で作用する「免疫チェックポイント阻害薬」の効果を「腸内細菌叢」が左右する可能性があるという。このことを示した2件の研究結果が、『Science』(11月2日オンライン版)に掲載された。

 「がん免疫療法」の効果を飛躍的に進歩させた「免疫チェックポイント阻害薬」。その一種である「ニボルマブ(商品名:オプジーボ)」などの「抗PD-1抗体薬」による治療を受けた「進行メラノーマ」や「肺がん」などの患者の「腸内細菌叢」、つまり<腸内細菌のかたまり>を調べたところ、治療効果があった患者となかった患者で、細菌の多様性や構成に違いが認められた。

治療の効果があった患者の腸内細菌は……

 1つ目の研究を実施したのは、米テキサス大学MDアンダーソンがんセンター准教授のJennifer Wargo氏ら。この研究では、抗PD-1抗体薬による治療を受けた進行メラノーマ患者112人から採取した糞便を分析して、腸内細菌叢の多様性や構成について調べた。

 その結果、治療の効果があった患者では、なかった患者と比べて、腸内細菌叢の多様性に富んでいることが分かった。

 また、効果のあった患者の腸内細菌叢では、特定の細菌(ルミノコッカス属とフィーカリバクテリウム属)の占める割合が特に高かった。一方、効果がなかった患者は、バクテロイデス属の細菌の割合が高いことも明らかになった。

 さらに、効果のあった患者の糞便をマウスに移植したところ、そのマウスも抗PD-1抗体薬に対して良好な反応を示したという。

妊活はシチュエーションを変えることも大事 不妊治療は愛情の確認から
インタビュー「『射精障害』での不妊が増えている」第3回:岡田弘医師(獨協医科大学埼玉医療センター・泌尿器科主任教授)

「非婚化」「晩婚化」と並んで、結婚した夫婦の間でも子どもができなくなっていることが、人口減少の一因であることは論をまたない。獨協医科大学埼玉医療センターの泌尿器科主任教授・岡田弘氏の診察室には、男性が原因で不妊となっている夫婦が数多く訪れる。なかでも近年、急速に増えているのが、挿入はできるけれど、女性の中で射精できない「膣内射精障害」だという。

Doctors Select

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘

2017年4月より、はるひ呼吸器病院(愛知県)病…

堤寛

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫