「がん免疫療法」の新技術が本格化! 気になる最新知見が国際シンポジウムで登場

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日本でも胃がんに免疫チェックポイント阻害剤を承認

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シンポジウムでは最新の知見が発表された


 日本でも9月末、胃がん患者に免疫チェックポイント阻害剤の使用が承認された。患者への治療にがん免疫療法を用いる機会が広がっている。

 このシンポジウムでも、以前は<手探り>だった点が、患者を対象とした臨床試験が進むことで、より明らかになった感がある。免疫チェックポイント阻害剤の効果の最大化や、他の治療法との併用など、腫瘍免疫学から理論的に導き出されたものが、実際にどうだったか――と確認されてきたのだ。

 特に、外科手術でがんの切除可能な患者にも、始めから免疫チェックポイント阻害剤を使用(ネオアジュバント療法という)した際の<免疫学的な解析>が発表された。

 そこで分かったのは、<ヒトのカラダでは、早期の段階から腫瘍(がん)に対する強い免疫拒絶反応が起きている。この「チェックポイント」の働きによってがんを排除する免疫力が働いていなかった>ということだ。

 今後もがん免疫療法は、これまでのがん治療の中により深く、確実に組み込まれていくことを確信している。
(文=角田卓也)

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角田卓也(つのだ・たくや)
昭和大学臨床薬理研究所臨床免疫腫瘍学講座教授。和歌山県立医科大学卒業後、同病院で研修。1993年、腫瘍浸潤リンパ球の研究をテーマに医学博士号を取得。92~95年、米ロサンゼルス、シティオブホープがん研究所に留学。同講師就任。95年、和歌山県立医科大学第2外科助教就任。日本初の樹状細胞療法を実施。2000年、東京大学医科学研究所講師、05年、同准教授就任。10年、バイオベンチャー社長に就任。日本初の大規模がんワクチンの臨床試験を行う。2016年5月より現職。30年間一貫してがん免疫療法を研究する。著書に『進行がんは「免疫」で治す 世界が認めた がん治療』(幻冬舎)』

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