10月1日から乳がん月間! 検診と治療の新時代の幕開けか?患者の5%が手術不要に!

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検査の負担が少なく高精度の乳房専用PET装置

 検査の分野でも新しい動きがある。島津製作所が開発した乳房専用PET(陽電子放射断層撮影)装置「Elmammo Avant Class(エルマンモ アヴァン クラス)」だ。

 島津製作所のプレスリリースによると、この乳房専用PETは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による委託業務の成果に基づいて、約40年にわたるPET技術を結集し、2014年に製品化された乳房専用PET装置「Elmammo」の後継機になる。 

 どのような特徴があるのだろう?

 第1に、被検者は装置の上でうつ伏せになり、検出器ホールに片側ずつ乳房を入れるだけで検査を受けられる。マンモグラフィ検査のような乳房の圧迫による痛みはなく、しかも全身PET装置では取得が難しい診断情報も得られる大きな利点がある。

 第2に、「Elmammo」の特長である高感度と全身PET装置の約2倍の解像度を受け継いでいるので、検診精度の信頼性が高い。

 第3に、寝台上面と検出器間の距離を可能な限り短縮したため、胸壁部分に生じやすいブラインドエリアが縮小され、寝台の形状変更によってさらに快適に受診できる。

 第4に、日本人女性に多い高濃度乳房の検査にも有効であるため、抗がん剤による治療効果の判定に利用できる有用性も高い。

 第5に、過去に蓄積された多くの臨床例を再検証し、検出器の構造の最適化を図ったため、導入コストの低減も実現している。

 なお、エルマンモ アヴァン クラスによる乳房専用PET(陽電子放射断層撮影)は、同じ検査日に全身PET検査を併せて行った場合に限って、健康保険が適用される。

 さて、検査と治療の分野で新しい可能性が広がり、乳がんのリスクが少しずつではあるが低くなっている。少しでも「乳がんかなと?」思ったら、先述した情報を参考にして、必ず乳腺外来の専門医を訪ねてほしい。
(文=編集部)

※参考
●「日本乳癌学会乳腺専門医」/http://www.jbcs.gr.jp/ninteii/senmoni.html
●「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」/http://www.mammography.jp/検診マンモグラフィ読影認定医師・撮影認定診療放射線技師・医師リスト
●「J-POSH」「マンモ検診機のある病院」/http://www.j-posh.com/index.htm

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