アレルギー予防のためにはいつから離乳食を始めるのがいいのか?

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5カ月頃から離乳食を始め、6カ月頃から卵を?

 厚労省のガイドラインでは、離乳食は5~6か月から始めることになっています。離乳食初期は「つぶしがゆからはじめ…慣れてきたら、つぶした豆腐・白身魚などを試してみる」となっていて、卵や小麦、乳製品を始める具体的な時期は書いてありません。

 WHOのガイドラインでは、離乳食(補完食、という表現が使われています)を始めるのは早くても4カ月、できれば4カ月からです。主食と組み合わせて、豆類・動物性食品・緑黄色野菜と果物・油脂や砂糖を食べさせる、と書かれています。こちらも具体的な時期は書いてありません。

 ただし、WHOが6カ月からの離乳食を勧めているのは、離乳食を始めることによって、赤ちゃんが飲む母乳の量が減る可能性があるからです。母乳を飲む量が減ると、カロリーの低い離乳食でお腹いっぱいになって十分な栄養を摂取できなくなったり、母乳の分泌量が減ったり、お母さんの妊娠の心配があります。これは確かに重要な問題ですが、アレルギーの予防とは関係ないのです。

 成育医療センターの研究者は、アトピーやアレルギーのない赤ちゃんについては、「5カ月頃から離乳食を始め、6カ月頃から卵を食べさせる」のが理にかなっていると考えているようです。

 研究で使用された卵パウダーは、ゆで卵に換算して0.2gの量です。卵1個が60g程度なので、ほんの少しの量でよさそうです。また、日本ではピーナッツアレルギーは少ないですが、先に述べた研究結果からは、ピーナッツペーストも少量ずつ早めに食べさせてもいいかもしれません。その場合、市販のピーナッツバターは砂糖がたくさん入っているものも多いので、成分をよく見て選んで下さい。

 我が家では、結局5カ月頃から離乳食をはじめて、慣れてきた頃からヨーグルトや卵などを少量ずつ食べさせました。赤ちゃん本人の食欲にもよりますが、最初は様々な食品に慣れさせることが主な目的です。特に6カ月未満の赤ちゃんは離乳食は少量でよく、母乳やミルクでしっかり栄養を摂取するのが良いと思います。もちろん、既にアトピーやアレルギーの診断を受けている方はかかりつけ医の指示に従って下さい。

 離乳食の進め方は国によっても大きく違います。お粥、野菜、豆腐、白身魚という順番や、1回食から始めて回数を増やすというやり方は、日本独特のものです。ポイントをしっかり押さえたら、後はあまり細かいことは気にせず、楽しく進めていきたいですね。
(文=もりた・まりこ)


参考:
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/s0314-17.html
WHO  Guiding principles for complementary feeding of the breastfed child
http://www.who.int/nutrition/publications/infantfeeding/a85622/en/
国立成育医療研究センター『離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見』
https://www.ncchd.go.jp/press/2016/egg.html
週間医学界新聞『小児食物アレルギーの予防 最新の知見から』
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03222_02#bun

Du Toit G, Roberts G, Sayre PH, et al. Randomized trial of peanut consumption in infants at risk for peanut allergy. N Engl J Med 2015; 372: 803?13.

Perkin MR, Logan K, Tseng A, et al. Randomized trial of introduction of allergenic foods in breast-fed infants. N Engl J Med 2016; 374: 1733?43.

Natsume O, Kabashima S, Nakazato J, et al. Two-step egg introduction for prevention of egg allergy in high-risk infants with eczema (PETIT): a randomised, double-blind, placebo-controlled trial. Lancet 2017; 389: 276-86.

森田麻里子(もりた・まりこ)
仙台厚生病院麻酔科、2012年東京大学医学部卒業。亀田総合病院の初期研修を修了後、2014年より現職

医療ガバナンス学会発行「MRIC」2017年9月11日より転載

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