最新研究で「卵アレルギー」の予防に朗報(shutterstock.com)
じんましんや呼吸困難、さらには、時として生命さえも脅かすアナフィキラシーショックなど、さまざまな症状を引き起こすアレルギー疾患――。
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎もそのなかに含まれ、国民の2人に1人がかかっているともいわれる。
厚生労働省は12月2日、「アレルギー対策の方向性を示す基本指針案」を初めてまとめた。この指針案では、全国どこでも科学的知見に基づく適切なアレルギー疾患医療を正しく受けられることを目標に掲げ、地域の拠点となる医療機関や、かかりつけ医との連携協力体制を整備する方針を打ち出している。
この指針案は、2015年12月に施行された「アレルギー疾患対策基本法」に基づいて作成されたもの。その第2条で、アレルギー疾患を、次のように定義づけている。
「この法律において『アレルギー疾患』とは、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る疾患であって政令で定めるものをいう」
いずれも、幼い子供を持つ母親にとっては悩みの種だが、特に多くの親子を苦しませているのは「食物アレルギー」だろう。
食物アレルギーは嘔吐や下痢などの消化器症状も出るが、じんましんなどの皮膚症状が多いのが特徴。アレルギーとはいわば「免疫反応が生体に不都合な反応を起こす現象」で、その反応の対象になるのは主に「タンパク質分子」だ。
乳幼児に食物アレルギーが多いのは消化能力が未熟でより多くのタンパク質が血液中に入るためだろうと思われている。