テレビゲームは「脳」に悪いのか?メリットを訴える研究の一方で統合失調症などのリスクも!?

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テレビゲームは「脳」に安全か危険か?(depositphotos.com)

 モントリオール大学(カナダ)のGregory West氏らの研究グループは、アクション型のテレビゲームをプレイする人の脳の灰白質に萎縮が認められたとする研究論文を『Molecular Psychiatry』8月8日オンライン版に発表した(「HealthDay News」2017年8月7日)。

 発表によれば、研究グループは、ゲームの熟練プレーヤーと未経験者を含む18~30歳の男女約100人を対象に、以下のゲームを90時間プレイしてもらいながら、MRI検査を実施し、海馬や物事の記憶を司る領域への影響を評価した。

 プレイしたゲームは、一人称視点で3次元(3D)マップを移動して敵を攻撃するファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)、三人称視点でプレイするサードパーソン・シューティングゲーム(TPS)である「コールオブデューティ」「バトルフィールド」「キルゾーン」、3Dプラットフォームでプレイする「スーパーマリオ」シリーズだ。

テレビゲームで「海馬」の灰白質が萎縮すると、統合失調症、PTSD、うつ病、アルツハイマー病のリスクが高まる!

 プレイの結果、「空間的戦略(spatial strategies)」に基づいたゲームをプレイしていた人は、海馬の灰白質の容積が増加していた。一方、「反応学習(response learning)」に基づいたゲームをプレイしていた人は、灰白質の容積が縮小していた。

 West氏によると、空間的戦略では頭の中に地図を描いて地形を理解するが、反応学習では単に左右に曲がる場所を覚える感覚でゲームを進める。

 さらに、プレイ時の脳の働かせ方によって差がみられるだけでなく、「スーパーマリオ」シリーズのゲームをプレイした群では、海馬だけでなく嗅内皮質と呼ばれる脳領域の容積も増加していた。

 研究グループの一員でマギル大学(カナダ)准教授のVeronique Bohbot氏は「ゲームをプレイする人が誰でも精神疾患を発症するわけではないが、海馬の灰白質が萎縮した人は統合失調症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、アルツハイマー病などのリスクが高いことが分かっている」と説明している。

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