猛暑に負けない栄養戦略! アウトドア&インドアの熱中症対策レシピを紹介

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アウトドア&インドアの熱中症対策レシピを紹介

 猛暑日が続き、熱中症の危険も高まっている。おいしくて栄養価の高いレシピで定評のある、栄養士でフードコーディネーターの若宮寿子氏に、猛暑に負けない栄養戦略を聞いた。

室内で座っていても発症する熱中症

 「室内だと、つい油断してしまいますが、屋外に劣らず熱中症の危険は高いのです」と若宮さん。

 熱中症は、高温多湿な環境に長くいることで、気づかないうちに体内の水分と塩分のバランスがくずれ、体温調節機能が働かなくなり、体内に熱がこもってしまうことによって起きる。室内で、何もしないで座っていても、発症することがあるのだ。

 予防といえば、なんといっても水分をこまめにとること。そして人間の体液には0.9%のナトリウム(塩)が含まれているので、水だけでなく塩もとらなければないことも最近では常識となっている。

 ちなみに「0.9%」とは水1リットルに対してわずか9グラムである。「熱中症予防に適度な塩分は必要ですが、1日3回の食事で、塩分はじゅうぶんにとれます。それ以外にとると、塩分過剰のおそれもあります」と若宮さん。

 しかし「屋外で、長時間の運動、ウォーキング、作業などを行うと、たくさん汗をかいて塩が体内から失われますから、ミネラルが効果的にとれるスポーツドリンクなどで水分補給をするのがおすすめです」とのこと。塩の摂取は、室内と屋外では区別して考えよう。

ALAでエネルギーチャージ、VCでお肌イキイキ

 水分と塩を補給したら、次に考えたいのは疲労回復である。疲労が蓄積していると、あらゆる疾患と同様、熱中症にも罹りやすくなる。

 「豚肉に含まれるビタミンB1は、疲労を回復させますが、さらに紫玉ねぎに含まれる硫化アリルをいっしょにとると、B1の吸収が促進されます。それから、とり胸肉に含まれるイミダペプチドもとりたいですね。少年野球の監督が、お母様方に『お子さんにとり胸肉を食べさせてください』と指導しているほどです」

 さらに、この夏、注目なのがアラ(ALA)である。ALAは「5-アミノレブリン酸」の略称で「クエン酸回路」に必要不可欠な物質である。体内のエネルギー生産は、細胞中のミトコンドリアで行われており、生産工程が「クエン酸回路」と呼ばれる。ALAは、私たちのエネルギーチャージに必要不可欠なのだ。

 「ALAは、日本酒やワインなど多くの食品に含まれます。酢やタコにも多いので、夏にはサラダにするとサッパリとおいしくいただけます」

 最後にストレスと美容についても考えたい。

 「暑さ寒さは、身体にとって大きなストレスとなります。免疫力を高めるビタミンCも積極的にとりましょう。ビタミンCは肌にもよいのです。ただ、かんきつ系の果実に含まれるソラレンは紫外線を吸収しやすいので、紫外線が弱くなる午後3時以降がおすすめです。かんきつ類は、夕食のデザートとするとよいのではないでしょうか」

 次ページでは、若宮氏の「猛暑に負けない栄養戦略レシピ」を紹介する。

若宮寿子(わかみや・ひさこ)

栄養士、米国(NSF)HACCP9000コーディネーター、FCAJ公認フードコーディネーター。
神奈川県横浜市出身 山脇学園女子短期大学食物科卒業。9年間企業にて社員の栄養指導、給食管理を行い 栄養改善にて都知事賞を受ける。1995年より若宮ヘルシークッキングスタジオ主宰。ヘルシー料理教室を通じ、健康維持のため食生活の大切さを伝え 第一次予防を目指し生活習慣病予防等に努める。外食企業、ホテル、レストランにてフードコンサルタントを行い ヘルシーレシピ開発等に従事。テレビ、雑誌等メディアを通じあらやる年代に「食」の大切さを伝えている。
著書の「しょうが365日」泉書房は3か国語に翻訳されている。他に「大人の自炊」泉書房、「体にいい食材の便利帳」宝島社 他多数。

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