塩を摂取しやすくするためにスイーツ化 遥花/PIXTA(ピクスタ)
全国的に記録的な猛暑が続き、各地で"観測史上初"が続いている。この暑さのため、熱中症で運ばれる人が相次いでいる。
熱中症対策は、水分のほかにも、汗で失われる塩分の補給が欠かせない。水分と共に体内のナトリウムが外に出てしまうと、ただ水を飲んだだけでは脱水症状を起こしてしまうリスクがあるからだ。
体はナトリウム濃度をこれ以上薄めたくないために、水分を尿として外に出したり、水分を体内に取り入れないように喉の渇きを抑えたりする。そのため、意識的に塩分を摂取して、体内のナトリウム濃度を正常に戻すことも必要だ。
そんな塩分需要が高まる熱中症シーズン。兵庫県のカフェと老舗菓子屋がコラボして、塩を使ったメレンゲ菓子を開発した。その名も「ジロデアワ塩」。「ジロ・デ・アワジ」というサイクリスト向けのカフェの店舗名をかけあわせたものだ。
カフェに訪れるサイクリストたちの声から生まれたこのスイーツ。サイクリストらは水分補給のためにドリンクを携行しているが、「ボトルに臭いが移る」のを嫌い水だけを入れている人も多い。そこで「淡路島の素材」を活かした、塩分や糖分を摂取できるサプリメントを用意することにした。
菓子屋の管理栄養士に相談し、カステラやプリンの製造で余った卵白を活用して、砂糖と淡路島内産の塩を加えて作ったのがこのメレンゲ菓子である。1袋には、スポーツドリンクの倍以上のナトリウムや塩分が含まれているという。
広がる熱中症対策スイーツ。今年はどんなものがある?
数年前、熱中症には水分と同時に塩分と糖分の摂取が欠かせないことが広く知られるようになり、塩と砂糖を使った「熱中症対策スイーツ」が店頭に登場するようになった。塩分は、腸内吸収を促進する砂糖と一緒に摂ることで、より素早く摂取できるため、砂糖との相性が良いのだ。
熱中症スイーツのうち、最もポピュラーなのが「塩飴」だろう。なかでも、建築会社の工事現場ニーズが生み出した「熱中飴」は、熱中症対策の塩飴ブームの火付け役となった。以降、各社から塩飴が次々と発売され、今では熱中症対策に欠かせないものとなった。今年は、明治製菓が「チェルシー 塩スカッチミックス」味という、フランス産ロレーヌ岩塩を用いたものを発表している。
また、塩を使ったゼリーやケーキも登場。たらみのコンビニ限定「塩グレープフルーツゼリー」は今夏、一度は目にしたことがあるのではないだろうか。不二家は、宮古島産雪塩を使ったスイーツ「雪塩ミルキーモンブラン」と「雪塩ミルキークリームロール」を、銀座コージーコーナーは、同じく宮古島産雪塩を使った「夏のチーズモンブラン」「夏のティラミスタルト」「夏のチョコミルクレープ」のケーキを季節限定販売している。