除菌効果が高い「手洗い」のポイントは「水温」よりも洗浄時間と確実性・丁寧さ!

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慌てずゆっくり、しっかり丁寧に、時間を惜しまず、痒い所に手が届くように

 このような手洗い効果の先行研究には、名古屋文理短期大学の『手洗いの細菌学的考察』がある(名古屋文理短期大学 紀要第25号ci.nii.ac.jp/naid/110000473089)。

 食品を取り扱う施設の衛生的手洗いは、公益社団法人日本食品衛生協会『衛生的な手洗いについて』が詳しい。

 『衛生的な手洗いについて』によれば、食品衛生は手洗いに始まり、手洗い終わるので、食中毒の防止のために手洗いの励行を奨めている。病原微生物の汚染経路は、食品そのものの汚染、食品の製造、加工、調理に使用する器具・器材からの汚染、人の手からの汚染がある。衛生的な手洗いは付着した病原微生物を物理的に洗い流し、除去することだが、常在菌まで取り除く過度な手洗いは不要としている。

 手洗いレベルと汚れ、常在菌との関係について、文部科学省『学校給食調理場における手洗いマニュア』は、手を洗う前に爪を短く切りそろえる、腕時計や指輪などの装身具を外す、マニキュアをとる、手指に傷がないかを確認する点を指摘している。

 また、日常的な手洗いについて、公益社団法人日本食品衛生協会『手洗いマニュアル』によれば、以下の手洗い手順を推奨している。誰でも知っている常識的な手順だが、徹底していない人、習慣化していない人が少なくないかもしれない。

●衛生的な手洗い手順
 ①流水で手を洗う
 ②洗浄剤を手に取る
 ③手のひら、指の腹面を洗う
 ④手の甲、指の背を洗う
 ⑤指の間(側面)、股(付け根)を洗う
 ⑥親指と親指の付け根のふくらんだ部分を洗う
 ⑦指先を洗う
 ⑧手首を洗う(内側、側面、外側)
 ⑨洗浄剤を十分な流水でよく洗い流す(①〜⑨を繰り返せばさらに効果がある)
 ⑩手をふき、よく乾燥させる (タオルの共用はしない、タオルはいつも衛生的に)

 また、アルコール消毒は、爪下、爪周辺に直接かけた後、手指全体によく馴染むように擦り込む。その他、爪ブラシは不衛生な取扱いによって細菌が増殖しやすく、二次汚染の原因になる場合があるので、十分な数の爪ブラシを揃え、適宜消毒することが必要だ。

 さて、手八丁、口八丁は威勢がいいが、人の手は、食中毒を引き起す病原微生物の運び屋だから、手洗いの手抜きだけは慎みたい。

 調理前、食事前、帰宅後、トイレの後。慌てずゆっくり、しっかり丁寧に、時間を惜しまず、痒い所に手が届くように!梅雨から初夏に向かうこの時節。何よりも体調管理を忘れずに!
(文=編集部)

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