「脱毛」の真の原因は「免疫細胞」の異常だった! 円形脱毛症の治療にも光明が

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円形脱毛症の発症率は1000人に1~2人

 この研究で明らかなように、免疫細胞である制御性T細胞の異常が脱毛の真因ならば、自己免疫疾患である円形脱毛症の治療に光明が差し込んでくるだろう。

 日本人の毛髪はおよそ10万本。毎日およそ50~60本が自然に抜け落ち、約3~6年の周期で再生を繰り返している。

 1000人に1~2人に発症する円形脱毛症は、免疫細胞のCD8陽性Tリンパ球が毛根を異物と見なして攻撃し、毛根に炎症が起きるため、毛髪が突然抜ける自己免疫疾患だ。

 円形脱毛症脱を発症すると、脱毛した毛根は萎縮し、障害される。だが、立毛筋部位にある毛包幹細胞がすべての毛髪組織を作り、毛包幹細胞は障害されないため、Tリンパ球の反応が消えれば、毛髪が再生する。

 円形脱毛症は、30歳以下の発症率が81.8%、特に15歳以下の発症が4分の1を占め、やや女性が多い。乳幼児の発症もある。その原因は、未解明だ。CD8陽性Tリンパ球が誤反応する機序も判然としない。精神的ストレス、アトピー皮膚炎などのアレルギーの合併症、ウイルス感染などが誘因とされる。ちなみに、英科学雑誌『Nature』2010年7月号は、円形脱毛症の発症にHLA-DQB1 03などの8つの遺伝子が関与している根拠を明らかにしている。

 主な治療は、ステイロイドによる対症療法だが、確定的な治療・予防法はない(Madani S, Shapiro J (2000). “Alopecia areata update”. J. Am. Acad. Dermatol. 42 (4): 549–66; quiz 567–70. PMID 10727299)。

 さて、制御性T細胞の異常が脱毛の真因なら、円形脱毛症の原因の解明や治療法の開発がますます進むに違いない。今後の研究に大いに期待したい。

*参考文献/『実験医学 2007年11月号』羊土社 ISBN 978-4-7581-0029-8 ほか。
(文=編集部)

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