がんに悩む人たちのための「第二の我が家」がオープン!アデランスも脱毛ケアの無料アドバイス

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がん患者を支援する「マギーズ東京」が10月10日にオープン(画像は公式HPより)

 「国民の2人に1人ががんに罹患」という言葉だけが独り歩きしている。生涯罹患率では確かに男女ともほぼは5割となるが、そのほとんどが50代後半から60代以降に急増するもので、働き盛りの40歳では、男性の場合、10年後に罹患するのは2%に過ぎない。(がん情報サービス)過剰な恐怖心はストレスになるだけだ。

 とはいえ、がん患者やその家族への支援は非常に重要だ。この10月、がん患者を支援するマギーズ東京(NPO法人マギーズ東京)が東京都江東区豊洲にグランド・オープン。マギーズ東京は、英国発のがん患者支援センター「マギーズキャンサーケアリングセンター(マギーズセンター)」の日本初の拠点だ。

がんに悩む人の居場所を病院の外に

 マギーズセンターは、造園家・造園史家のマギー・K・ジェンクス氏ががんで余命数ヶ月と宣告された経験を活かそうと、1996年に英国で起ち上がった。ジェンクス氏は、がんに悩む人たち、家族・友人らのために、入院していたエジンバラ病院の敷地内に小屋を借り、誰でも気軽に立ち寄れる空間を作った。

 マギーズセンターは、がんを経験した人やその家族・友人ならだれでも、居心地の良い家庭的な環境に包まれながら、看護師や臨床心理士のサポートを受けられる。すべてチャリティ(寄付と協力)だけで建設・運営され、無料で利用できる。英国に19拠点、香港に1拠点の計20拠点が活動中だ。

 英国マギーズ本部と建物、運営方法、スタッフ研修などの国際契約を交わしたマギーズ東京は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが終わるまでのパイロットプロジェクトだ。今後は、マギーズ国際ネットワークの正式なメンバーとして活動を続けていく。

マギーズ東京は、すべてチャリティー(寄付と協力)で運営

 2014年にマギーズ東京プロジェクトを立ち上げた立役者がいる。「日本にもマギーズセンターのような自分を取り戻し、また歩き出せる勇気を奮い立たせる場所が必要だ」と考えた2人の女性、訪問看護師の秋山正子氏と、がん患者支援に携わっている報道記者の鈴木美穂氏だ。

 2015年、プロジェクトはNPO法人化。がん患者向けのワークショップや写真展を実施しつつ、マギーズ東京を設立するためにクラウドファンディング に参加。9月~11月の3カ月間で1100人から約2200万円の資金をまず調達し、合計約3000人の協力を得て、7000万円以上の寄付を集めた。

 マギーズ東京は、すべてチャリティー(寄付と協力)で運営されている。がんの診断を受けた人も、治療中の人も、治療が終わった人も利用は無料だ。予約は不要。お茶を飲んだり、本を読んで時を過ごしたり、看護師や臨床心理士のアドバイスを受けたりできる。訪問した人が必要とする実用的・心理的・社会的なサポートを続けながら、QOL(生活の質)の維持・改善に貢献している。

 マギーズ東京の好立地も注目だ。約6km圏内に5つのがん診療拠点病院(がん研有明病院、国立がん研究センター、聖路加国際病院、東京慈恵会医科大学附属病院、虎の門病院)がある。開館時間は平日の午前10時~午後4時となっている。

アデランスが協力して脱毛ケアの無料アドバイスも

 病院でも自宅でもない、第二の我が家のような居場所、マギーズ東京。10月10日のグランドオープン・フェスティバルにアデランスも協力を惜しまなかった。当日は、看護師の声から生まれたスカルプガード pHコントロール 泡シャンプー&トリートメントを500本と、ファッションショーで着用するウィッグを提供し、参加者から喜ばれた。

 アデランスが協力したのはワケがある。英国のグループ会社アデランスUK社が、英国のマギーズセンターでウィッグの説明会を開催してきた経緯から、マギーズ東京の活動に賛同し、支援に乗り出したのだ。

 アデランスのニュースリリースによると、「一人でも多くの患者さまに笑顔でいていただきたい、共に歩むパートナーでありたいというマギーズ東京と当社の目的が共通のものであると判断し、企業の社会的責任(CSR)として協力した」という。

 ちなみに、アデランスは、2002年の病院内へアサロンの開設を皮切りに、2005年の医療用ウィッグの発売、2015年の医療用ウィッグのJIS適合宣言など、様々なCSR活動を展開している。

 グランド・オープン後は、専門知識を持ったスタッフが常駐し、個別カウンセリングをはじめ、栄養・運動の指導、脱毛ケアなどを無料でアドバイスしながら、仕事や子育て、助成金や医療制度の活用などの相談にも乗っている。

なぜ抗がん剤や放射線は、脱毛の副作用が強いのか?

 抗がん剤治療や放射線治療で脱毛が起きるのは、なぜだろう?

 がん細胞は、正常細胞よりも細胞分裂が活発なため、抗がん剤は、がん細胞が細胞分裂するタイミングを狙って攻撃する。つまり、正常細胞よりも、がん細胞を素早く攻撃するのが抗がん剤だ。

 だが、毛髪の毛根部にある毛母細胞(毛を作る元細胞)は細胞分裂が活発で速く、頭髪のおよそ90%以上は抗がん剤や放射線によるダメージを受けるため、脱毛が生じやすい。

 また、がん細胞は放射線に弱いものの、多量の放射線を照射すれば、放射線が当たった部位や放射線が突き抜けた部位の毛母細胞がダメージを受けるので、脱毛が促進する。

 脳全体に放射線を当てる全脳照射は、頭皮全体に放射線が当たるため、高頻度・広範囲に脱毛する。放射線を自由な方向から照射するサイバーナイフは、がんに放射線を集中できるが、円形脱毛になりやすい。だが、201個の微弱なビームを照射するガンマナイフなら、頭皮を通過する放射線が弱いので、毛母細胞はダメージを受けにくい。

 抗がん剤や放射線による脱毛は、治療の開始からおよそ2週間後に始まり、数週間も続くが、治療が終了すれば、およそ3~6カ月後に発毛が始まる。最初は毛質・太さ・色が変化しているが、1年~数年経てば、元の髪質に戻る場合が多い。

 脱毛を起こす代表的な抗がん剤は、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、アドリアシン(ドキソルビシン)などがある。脱毛率(副作用の発現率)は、タキソール90%以上、タキソテール90%未満、アドリアシン61.6%と高い。だが、抗がん剤治療は、2種類以上の抗がん剤を組み合わせて処方するので、単独使用よりもさらに脱毛率が高まる。

 抗がん剤による副作用は、頭髪の脱毛だけではなく、眉毛、まつ毛や全身の体毛の脱毛も起きるのが特徴だが、さらに深刻な事態を招く。

 たとえば、脱毛による精神ストレスが免疫力を大きく低減させる。細胞分裂の速い血液、神経細胞、心臓、消化器、生殖器などの細胞、口腔粘膜、胃腸粘膜なども、抗がん剤の影響を受けることから、がんの再発や肺炎などの合併症に繋がるリスクが強まる。

 また、抗がん剤は、赤血球を減少させて貧血を起こしたり、白血球を減少させて感染症を招いたり、血小板の数を減少させて皮下出血や青あざを生じやすくする場合がある。

 その他、さまざまな全身症状を発症する。嘔吐、下痢、便秘、手足のしびれ、むくみ、関節痛、筋肉痛をはじめ、脱力感、疲労感、バランス感覚の喪失、歩行障害などにも陥る。

 このように抗がん剤や放射線による副作用は甚大だ。特に外観や容貌に神経質になりがちな女性は、大きなストレスを感じやすい。しかし、マギーズ東京は、がんの副作用に悩むすべての人に手を差し伸べている。

 脱毛などの副作用と真っすぐに向き合える。同じ悩みや意識をもつ人たちとコミュニケーションを深められる。専門家のアドバイスがある。がん患者とその家族・友人の精神的な支えとなるマギーズ東京は、社会に溶け込み、社会で機能するソーシャルホスピタルとして、熱い期待を背負って船出した。

 病院から、太陽のあたる場所へ。マギーズ東京とアデランスのコラボが未来の医療モデルを予感させる。その社会的な貢献度とポテンシャリティは限りなく大きい。
(文=編集部)


●NPO法人マギーズ東京事務局
東京都江東区豊洲6-4-18 担当:木村、阪口
電話:03-3520-9913 FAX:03-3520-9914
メール:info@maggiestokyo.org

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