チョコレートは不整脈のリスクを下げる? 虚々実々のチョコレートの健康効果

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
チョコレートは不整脈のリスクを下げる? 虚々実々のチョコレートの健康効果の画像1

チョコレート健康神話は揺るがない?(depositphotos.com)

 米ハーバード大学公衆衛生大学院のElizabeth Mostofsky氏らの研究チームは、デンマーク人5万5,502人(50~64歳)を対象に13年以上にわたりチョコレートの摂取量を追跡調査。チョコレートは心房細動の予防に役立つ可能性があると発表した。

 追跡期間中に3,346人が心房細動(不整脈)を発症したが、チョコレートが好きな人ほど、心房細動のリスクが低い傾向があったため、チョコレートは心房細動の予防に役立つ可能性があるとしている。(『Heart』オンライン版 HealthDay News 2017年5月23日)

 発表によれば、チョコレート1サービング(約28g)の摂取頻度が月1回未満の人と比較すると、心房細動リスクの低下率は、月1~3回の人なら10%、週1回の人なら17%、週2~6回の人なら20%と摂取頻度が高いほど大きかった。ただ、週2~6回以上摂取しても低下率は変わらず、1日1回以上摂取する人の心房細動リスクの低下率は16%にとどまっている。

 過去の様々な研究は、カカオに多量に含まれるフラバノールが血管機能を改善する効果を示唆していることから、カカオを含むチョコレートは、心臓に良い可能性があるとしている。

 Mostofsky氏は、多くのチョコレート製品は砂糖と脂肪が多く、高カロリーであり、体重増加や代謝障害を引き起こす可能性があるため、過剰な摂取は勧められないものの、カカオ含有量の多いダークチョコレートを適度に摂取することは健康的な選択である可能性があると指摘している。

チョコレートが好きな人は、脳卒中になりにくい!?

 それではチョコレートと脳卒中の関連はどうだろう?

 国立がん研究センターの津金昌一郎氏らの研究チームは、大規模な前向きコホート研究(JPHC study)を実施し、チョコレートの摂取と脳卒中リスクの関連を調査したところ、女性にのみ有意な関連を示す結果が得られたことから、チョコレートの摂取は心臓血管に有益な効果をもたらす可能性はあるが、エビデンスは少ないと発表した(『Atherosclerosis』オンライン版2017年3月4日号 Dong JY, et al. Atherosclerosis. 2017;260:8-12.)。

 発表によると、研究チームは、1995年から2010年にわたって、心血管疾患・糖尿病・がんを発症していない44~76歳の男性3万8,182人と女性4万6,415人を対象に、チョコレートを含む138種類の飲食摂取頻度を追跡調査し、チョコレート摂取に関連する脳卒中のハザード比(HR)を推定した。

 その結果、追跡期間中央値12.9年で、脳卒中は3,558件(脳梗塞2,146件、出血性脳卒中1,396件)発生した。年齢・BMI・ライフスタイル・食事摂取量・他の危険因子の調整後、女性のチョコレートの摂取は、脳卒中のリスクを有意に低下させていたが、男性には見られなかった。

がんになってもあきらめない妊活・卵巣凍結 費用は卵巣摘出に約60万円、保管は年間10万円
インタビュー「がんでも妊娠をあきらめない・卵巣凍結」後編・京野廣一医師

がん患者への抗がん剤による化学療法は妊孕性(妊娠のしやすさ)を低下させる。がんにより妊娠が難しくなる患者を支援するため、2016年4月に「医療法人社団レディースクリニック京野」が、治療前に卵巣を凍結して保存しておく「HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)」を設立すると発表した――。医療法人社団レディースクリニック京野理事長の京野廣一医師に卵巣凍結の仕組みについて訊いた。
前編『「がん」になっても妊娠・出産をあきらめたくない女性のための「卵巣凍結」とは?』

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆

大阪市内のクリニック勤務。1987年 産業医科大…

吉田尚弘

シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センタ…

中村祐輔