連載「暮らしとつながるサプリメント」第8回

「ウコン=二日酔い予防」は日本だけ! 「都合の良い科学データ」が曖昧な根拠に

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売る側は当然、ベネフィットだけを伝えたがる

 長年、さまざまな研究が積み重ねられてきた「クルクミン」でさえ「白紙撤回」のような事態になる可能性があるのだ。いや、クルクミンに限らない。あらゆる機能性成分において、その効果や安全性の評価が覆される可能性はいくらでもある。私たちはこのことを念頭に置いて、情報を見る姿勢を持つことの大切さを理解することだ。

 消費者に届く情報のほとんどは、マスコミを通じてである。マスコミはいつも新しい情報を求めている。従来の概念を変えるような、あるいは新しく登場する物事はネタになりやすいので、多少、誇張してでも面白く伝えたがる。

 しかし、一般的に言えば、たいていの物事には「ベネフィット」と「リスク」が共存している。売る側は当然のこと、ベネフィットだけを伝えたがる。しかし、そこにはリスクも潜んでいる。健康食品は利用する人のカラダに直接影響を及ぼすものだから、リスクを知らずして口に入れることは賢明ではない。

 ウコンが二日酔い予防に効くか効かないか? あるいはどの成分がよいのか悪いのか?

 そのことを検証する前に「リスク情報は何か?」「これまでに健康被害はあるのか?」ということはネットでも検索できる。

 また毎日飲むものなら品質だって確かなものでないと困るわけで、「この商品は信頼してよいのか?」「有効成分以外に何が含まれているのか?」をチェックする心構えを持つことが何より身を守ることではないかと思う。


連載「暮らしとつながるサプリメント」バックナンバー

後藤典子(ごとう・のりこ)

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会理事長、農医連携ユニット理事。同志社大学文学部卒業後、編集プロダクションを経てジャーナリストに。政治・経済評論をテーマにした取材・執筆を主軸としてきたが、サプリメントの取材をきっかけに市場の歪んだ情報の蔓延に義憤を感じ、生活者のための公正中立な情報の必要性を痛感。2001年、NPO日本サプリメント協会を発足、中立な情報機関として活動を始める。書籍の発刊や、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど、マスメディアにおいて執筆・評論・コメントを行うとともに、生活者や企業を対象とした講演活動を通じて、ヘルス・プロモーションの啓発に努める。現在、農と医をつないで健康と食の問題を検証するプロジェクト「農医連携ユニット」に関わるとともに、「日本サプリメント協会」を通して生活者の健康リテラシーを向上させるための情報活動を行っている。

後藤典子の記事一覧

後藤典子
がんになってもあきらめない妊活・卵巣凍結 費用は卵巣摘出に約60万円、保管は年間10万円
インタビュー「がんでも妊娠をあきらめない・卵巣凍結」後編・京野廣一医師

がん患者への抗がん剤による化学療法は妊孕性(妊娠のしやすさ)を低下させる。がんにより妊娠が難しくなる患者を支援するため、2016年4月に「医療法人社団レディースクリニック京野」が、治療前に卵巣を凍結して保存しておく「HOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)」を設立すると発表した――。医療法人社団レディースクリニック京野理事長の京野廣一医師に卵巣凍結の仕組みについて訊いた。
前編『「がん」になっても妊娠・出産をあきらめたくない女性のための「卵巣凍結」とは?』

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

小笠原クリニック札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認…

横山隆

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真