芦田愛菜さん、日本初の病理医女優を目指す!? 『フラジャイル』のモデルが語るその現状

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日本初の病理医女優が誕生!?(depositphotos.com)

 名門私立中学に入学した子役女優の芦田愛菜さん(12)が先日、テレビ番組『スッキリ!!』(日本テレビ系)にVTR出演し、将来の夢は「病理医」と答えて話題を呼んだ。

 芦田さんは、昨年から芸能活動をセーブして猛勉強。複数の難関校に合格し、この春、首都圏トップクラスの偏差値で知られる慶応義塾中等部に進学した。

 奇しくも、「第106回日本病理学会総会」が開催中(4月27~29日)の同学会にとって、病理医不足は課題のひとつ。芦田さんの「病理医になりたい」発言は朗報となったようだ。

 将来は「医学系の道に進みたい」という芦田さんは、「(病理医のことは)ドラマで知ったんですけど、ほかにも知らない職業がいっぱいあればいいなと思っています、今は」と語っている。

『フラジャイル』のモデルが語る病理医とは

 この<ドラマ>を推測すると、昨年放送された話題の医療ドラマ『フラジャイル』(フジテレビ系)も、そのひとつかもしれない。

 主人公は、病理医・岸京一郎(長瀬智也)。医療の<縁の下の力持ち>だった「病理」を軸に、医療の裏側を巡るエピソード、多彩な人間模様が描き、原作の漫画ともに人気を博した。

 岸の決めゼリフは、「あんたが医者であるかぎり、俺の言葉は絶対だ!」――病理医の診断は、患者の治療方法、ひいては予後を大きく左右する。

 病理診断部門には、手術や生検、穿刺や擦過で採られた標本が毎日届けられる。これらに正確な診断を決める「最終診断」が病理医の役割であり、臨床医はこの病理診断に基づいて治療を行うからだ。

 漫画原作の裏付け取材に応じた協力者の一人である堤寛医師(はるひ呼吸器病院病理診断科病理部長)は、病理診断の重要性をこう説く。

 「病理診断は、病理医が行なう医療のなかで優れて専門性の高い業務。病理医は、頭のてっぺんから足の指先まで、体のありとあらゆる部分の病気をみる<横断的>な役目をもつ。治療こそ<しない・できない>けれど、病気の成り立ちについて詳しい集団です。ところが、専門医は全国で2000人程度ととても少なく、多くの病理医はとても忙しい」

 病理学は、元々病気の原因・発生機序を明らかにする学問。病気が発症する原因は、個人のもつ遺伝子によるものから、職業や生活環境、社会のシステムなど多様だ。それを探求する、きわめて幅広い学問といえる。

 また、病理診断による基礎・臨床研究は、医学の発展に大きく寄与した。現代の医学の確立に大きな役割を果たしてきたのだ。

 堤医師は、慶應義塾大学医学部卒、同大学大学院(病理系)修了という経歴の持ち主。将来、芦田さんの先輩になるかもしれない堤医師は、こうエールを送る。

堤寛(つつみ・ゆたか)

2017年4月より、はるひ呼吸器病院(愛知県)病理診断科の病理部長。1976年、慶應義塾大学医学部卒、同大学大学院(病理系)修了。東海大学医学部に21年間在籍。2001〜2016年、藤田保健衛生大学医学部第一病理学教授。「患者さんに顔のみえる病理医」をモットーに、病理の立場から積極的に情報を発信。患者会NPO法人ぴあサポートわかば会とともに、がん患者の自立を支援。趣味はオーボエ演奏。著書に『病理医があかす タチのいいがん』(双葉社)、『病院でもらう病気で死ぬな』(角川新書、電子書籍)『父たちの大東亜戦争』(幻冬舎ルネッサンス、電子書籍)、『完全病理学各論(全12巻)』(学際企画)、『患者さんに顔のみえる病理医からのメッセージ』(三恵社)『患者さんに顔のみえる病理医の独り言.メディカルエッセイ集①〜⑥』(三恵社、電子書籍)など。

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