バイスタンダーの手抜きが事故を招く?
あるいは保育の現場でも「ホットドッグ(パン、ゆでキャベツ、ソーセージ)を誤嚥し、急にせき込み、息苦しくなった」とか、「一口の量が多かった事例」としてこんな事故が報告されている。
●グミ(1cm×1cm×1.5cm)を10個ほど一気に食べて喉に詰まらせて意識が混濁し、顔面蒼白になってきたため、救急車を要請した。(医療機関ネットワーク、受診年月日:平成27年3月、3歳、中等症)
かつて「こんにゃくゼリー」の窒息事故が問題視された時期があったが、時代の流れで悪役が「グミ」に変わった例といえるだろうか……。
話は前後したが、消費者庁の公表した「5年間で103件(14歳以下)」の内訳は、<0歳児が半数近くの49件で最多、1歳児が18件、2歳児が9件、3歳児で6件>。幼い順で事故に遭いやすく、これら「3歳以下」で計82件と全体の8割超を占めている。
同庁は、①食品を小さく切る、②飴やタブレットは大きさに要注意、③気管支に入りやすい硬い豆・ナッツ類は3歳児頃まで控える、④年長の子供が乳幼児に危険な食品を与えないように注意する、などの注意喚起を謳っている。
さらに「食事中に注意すること」を要約すると、(a)遊びながら/歩きながら/寝ころんだまま食べさせない、(b)ゆっくり噛み砕いてから飲み込むよう促す、(c)お茶や水で喉を湿らす、(d)食品を口に入れたまま等のながら食事をさせない、(d)食事中に眠くなっていないか/正しく座っているかに注意し、食事中に驚かせない。
なかでも(a)や(d)は、スマホ(閲覧)命的ママ世代にこそ注意を呼びかけたい。でも、昔だって読書や手芸をしながら子育てしていたでしょうに……。そんな詭弁を返す時点で「バイスタンダー失格」ではなかろうか。
便利家電が隆盛で「ミニ」や「小粒」を謳う食品があふれる今日こそ、不測の事態や事故の死角や盲点はあるかもしれないのだから。
(文=編集部)