月経不順や月経困難症を伴う場合には注意が必要
月経関連の片頭痛や頭痛に、月経不順や月経困難症(注2)を伴う場合には注意が必要です。
月経困難症の治療として、低容量の経口避妊薬(ピル)を使用する場合があり、産婦人科医と頭痛専門医との連携が必要な場合もあります。ピルを内服する場合には、3週間内服して1週間休みとするなどした場合に、その周期によって片頭痛が生じやすくなる場合があります。また前兆のある片頭痛では、ピルの使用は控えた方がよいとされており、慎重な対応が求められます。
最後に、月経時の片頭痛、月経関連の片頭痛は、毎月起こる辛い頭痛です。本当にお困りの方はぜひ専門医にご相談ください。
(注1)前兆のない片頭痛とは、頭痛発作を繰り返し、4〜72時間痛みが持続します。特徴は、片側性と拍動性をみとめ、日常の動作により頭痛が悪化します。同時に、悪心、光過敏、音過敏を伴います。
(注2)月経困難症とは生理痛の重い症状で、月経時に下腹部痛、腰痛、悪心嘔吐などを来たし、社会生活が困難になる疾患です。
●参考文献
1:Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS): The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (beta version). Cephalalgia. 2013 Jul;33(9):629-808
2:日本頭痛学会・国際頭痛委員会編『国際頭痛分類(第3版 beta版)』医学書院.2014
3:竹島 多賀夫『頭痛治療薬の考え方、使い方(改訂2版)』中外医学社.2016