連載「頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた」第11回

カキ氷でなっても「アイスクリーム頭痛」!? 冷たいものを食べると起こる「キーン」の正体

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かき氷を食べたときに起きる頭痛の正体は?(shutterstock.com)

 いよいよ夏本番になってきました。夏といえば熱い日差しの中で食べる「かき氷」がおいしいですよね。ところで、みなさんの中にもカキ氷やアイスクリームなどの冷たいものを食べた時に、頭頂部に「キーン」という頭痛を感じた方も多いと思います。

 このような頭痛は「アイスクリーム頭痛」と呼ばれ、頭痛学の教科書にも書かれています。ちなみに「かき氷頭痛」ではなく「アイスクリーム頭痛」という呼び名になったのは、欧米人が国際的な頭痛分類(注1)の中で最初に記録したため、欧米に基準になっているからです。

 アイスクリーム頭痛は「冷たい固形物、液体、気体が口腔や咽頭(のど)を通過することによって急速に誘発される」と定義されています。この寒冷刺激が、三叉神経と自律神経を刺激して、反射的に痛みを起こしているのではないか考えられています。

 ほとんどの人が経験している症状ですが、人それぞれに感受性の違いや温度感覚の閾値の差があると考えられています。

 症状をきたす人の頻度はについては諸説あり、2〜6割の人で感じるとされています。若年者は6割程度が起こすとの報告もあります文献(注2)。また、たくさんのアイスクリームを早い速度で食べれば、当然、頭痛を感じる人も多いでしょうし、少ない量のアイスクリームをゆっくり食べると起こりにくいと考えられています。よってガキ氷やアイスクリームの量、温度などにもよりますが、その人の感受性、体質にでも異なると考えられています。

西郷和真(さいごう・かずまさ)

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授、近畿大学医学部附属病院神経内科。1992年、近畿大学医学部卒業。近畿大学附属病院、国立呉病院(現国立呉医療センター)、国立精神神経センター神経研究所、米国ユタ大学博士研究員(臨床遺伝学を研究)、ハワードヒューズ医学財団リサーチアソシエイトなどを経て、2003年より近畿大学神経内科学講師および大学院総合理工学研究科講師(兼任)。2015年より現職。東日本大震災後には、東北大学地域支援部門・非常勤講師として公立南三陸診療所での震災支援勤務も経験、2014年より現職。日本認知症学会(専門医、指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医、指導医)、日本神経学会(神経内科専門医、指導医)、日本頭痛学会(頭痛専門医、指導医、評議員)、日本抗加齢学会(抗加齢専門医)など幅広く活躍する。

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