トランプ大統領の無数の性差別発言は、精神的疾患リスクの高さを現している?

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問題項目に当てはまるトランプ大統領のキャラ

 米インディアナ大学ブルーミントン校准教授のY. Joel Wong氏らは、思春期前の子どもから高齢者までの男性約1万9,500人を対象とした2003~2013年の研究74件を分析した。同氏らは、11種類の「男らしさの基準」――「勝利にこだわる」「感情を表に出さない」「リスクをとる」「暴力的である」「支配的な態度をとる」「性的に遊び人である」「人を頼らない」「仕事を最優先にする」「女性の優位に立つ」「同性愛者を軽蔑する」「ステータスを追求する」に関するデータに着目した。

 これらのデータとメンタルヘルス上のリスクを比べた結果、この基準によく当てはまる男性は概してメンタルヘルスの状態が悪く、それでも助けを求めようとしないことが判明した。人種などの人口統計学的要因は全体の研究結果に影響しなかったが、大学へ行っていない人では、この基準に当てはまることとメンタルヘルスの問題との関連性が強かった。

 メンタルヘルスの問題と有意に関連していたのは、「感情を表に出さない」「性的に遊び人である」「人を頼らない」「女性の優位に立つ」の4つのみで、なかでも「人を頼らない」は最も強く関連していた。「リスクをとる」ことはメンタルヘルスの悪化にも関連していたが、全般的には良好なメンタルヘルスとも有意に関連していた。

 中にはリーダーシップをとるために必要な資質とも考えられる項目もあり、11項目のどれとどれが当てはまるかは微妙だが、少なくても半分以上の項目がトランプ大統領には当てはまりそうだ。

 これらの基準に当てはまることは、うつ病リスクよりも孤独や敵対、人付き合いの問題に関連する可能性が高かった。ただし、今回の結果はこうした「男性らしさ」と心の不健康との関連性を示したが、直接的な因果関係は示していないとしている。

 もちろんステレオタイプなアメリカ的男らしさのイメージにトランプ大統領が近いゆえにこれほどの人気があるともいえる。この手の男らしさのは、強いアメリカ復権の象徴になりやすいのだろう。
 
 1月8日に行われたゴールデン・グローブ賞受賞式の生涯功労賞受賞挨拶で女優のメリル・ストリープが「障がいを持つ記者のモノマネで爆笑をとるとは国家の頂点の立つ人間のやることか」とドナルド・トランプを批判した。普段からメディアに対する敵対心をあらわにするトランプ氏が、身体障害を持つ米紙ニューヨーク・タイムズの記者をあざけるようなポーズを演じて見せ、聴衆を笑わせた一件だ。同紙から「常軌を逸した振る舞い」と激しく抗議されている。

 性差別なら、男らしさのひとつの属性などと言い逃れることもできるかもしれない。しかし、この件に関しては人間性まで疑われる。やっぱり危ないんじゃないかこの新大統領。
(文=編集部)

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