がんや生活習慣病と「歯の病気」には密接に関係が〜小峰歯科医院・小峰一雄院長に聞く②

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

歯科後進国での普及活動を

 聞けば、予防歯科に対する考えは日欧で対照的だという。欧州諸国では患者の虫歯を予防できれば報酬が得られ、削らなければならない事態を招けば歯科医の報酬が減らされてしまう保険システムが導入されているためだ。小峰院長は苦笑して、次のように話す。

 「向こうでは日本人のように治療痕だらけの歯は非常に珍しいそうで、ある日本人患者がスイスの歯科医を訪ねたところ、その治療痕の多さに驚かれて、院内の歯科医全員が急遽集められて興味深そうに観察されたそうですよ」

 そんな小峰院長が最近、年4回以上は訪れている国がラオスだ。TV番組で彼と「ドックベスト療法」(前回の記事「削らなくても自然に虫歯が治る「ドックベスト療法」とは?」を参照)のことを知ったカンボジア人留学生が母国での講演に呼び、そのニュースがラオスでも流れたのが縁で要請を受けてボランティア活動を始めた。

 「ラオスでも地方へ行くといまだに歯科治療設備がほとんどない。虫歯があればただ抜歯するのが一般的で、抜いても入れ歯を装着することも出来ずに残された歯だけで食事を摂っているのが現実です。この削らないドックベスト療法はそんなラオスに最適だと実感させられています」

 銅セメントの殺菌作用を活かし、治療時間もわずか10分程度。歯を削らないから痛みもなく、成功率も90%以上。通院回数の少なさからもタートルの治療費が安く済む「ドックベスト療法」は確かに、歯科後進国にこそふさわしい虫歯治療法だろう。

 ラオスのヘルスサイエンス大学でドックベスト療法の基礎や実技を教えたり、地方の保険センターに出向いては現地の人々に削らない虫歯治療を無料で実施しているという小峰院長。最後に「ラオスを飽食日本の二の舞にしないためにも、ね」と白い歯を見せて笑った。
(取材・文=編集部)

子どもが発熱してもあわてない! 薬を減らして免疫力を育てよう
インタビュー「飲むべきか、飲まざるべきか、それが薬の大問題」第1回・とりうみ小児科院長・鳥海佳代子医師

過剰医療を招く一因ともいわれる、わが国の医療機関への「出来高払い制」。国民皆保険制度によって恵まれた医療を享受できる一方、<お薬好き>の国民性も生み出す功罪の両面がある。薬は必要なときに、必要な分だけ――限りある医療資源を有効に使う私たちの賢い選択とは? とりうみ小児科の鳥海佳代子院長に訊く。

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

里中高志

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジ…

横山隆

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curti…

三木貴弘