やはり危ない「濃いめの味が好き」! 食塩「小さじ半分」で死亡リスクが12%アップ

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<濃いめの味が好き>で早期死亡リスクが12%アップ

 さらに、たとえば普段は1日小さじ1.5杯(約9g)の食塩を摂取している場合、小さじ半分未満(約2.5g=ナトリウム換算で1000mg)増えるだけで、早期死亡リスクが12%上昇することが判明。

 それ以降も、ナトリウム摂取量が1000mg増えるごとに、リスクは12%ずつ上がり続けるという。

 今回の研究は因果関係を裏づけるものではないが、「塩分摂取量と死亡率の直接的な関連を明らかにした」とCook氏は言う。さらに、この研究では高血圧や心疾患のない健康な男女を対象としたため、これらの因子による潜在的なバイアスが少ないと指摘している。

 ちなみに米国心臓協会(AHA)は現在、1日のナトリウム摂取量を2400mg=食塩で小さじ1杯(約6g)以下に抑えることを推奨している。心臓のためにはさらに少なく、1日1500mg=食塩で小さじ3分の2(約3.8g)以下が理想だとしている。

 その一方で、とかく塩分摂取量が多いと言われる日本の現状はどうか? 厚生労働省の2014年の発表では、18歳以上の男性は1日当たり食塩8.0g未満、18歳以上の女性は1日当たり7.0g未満という目標量が定められている。

 ところが、2012年時点での日本の成人1日あたりの食塩平均摂取量は、男性で11.3g、女性で9.6g。国の目標量からはほど遠い。海外基準でみれば、相当の<高塩分食>国家だ。

 ちなみに「死亡リスクを12%上げる」と指摘された「食塩小さじ半分未満」は、濃いめの味が好きな日本人にとってはわずかな量だ。みそや醤油なら大さじ1、たらこひと腹、中くらいの梅干し1個でオーバーする。

カリウムを摂って塩分の排泄を心がける

 塩分を過剰に制限することの是非は、まだ議論の余地があるが、少なくとも大多数の日本人には「長生きしたければ減塩せよ」が正解なのだろう。

 とはいえ、食べたものの塩分量を計算するのは難しい。現状で健康な人なら、まず1日の目標量を頭に入れて、少しずつ意識することから始めたい。

 今はコンビニ弁当や加工食品に成分表示がある。ナトリウム量(mg)で表示されているときは1000で割り、だいたい2.5倍すれば食塩相当量(g)になると覚えておこう。

 また、外食はほとんどが塩分多めと考えた方がいい。一般的な目安だが、天丼やカツ丼などの丼物で4〜5g、定食類やラーメン(スープ含む)で5~6g。

 ヘルシーに思えるにぎり寿司も4〜5gほどで意外に多く、1日の摂取制限量の半分以上を占めてしまう。

 このことを頭に入れ、可能ならば自炊を心がけよう。そして「出汁を濃くとる」「柑橘類やスパイスを使う」などの工夫で、塩分を減らすことも可能だ。

 そして、余計な塩分の排泄を助ける「カリウム」を十分に摂取することも効果的だ。カリウムが多く含まれるのはホウレンソウなどの青菜や豆製品、海藻など。「濃い味が好き」という人は、これらを意識して食べるといいだろう。
(文=編集部)

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