味噌汁に「糖尿病」と「肥満」の予防効果が! 塩分が高血圧を招く危険性は?

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国民食が日本人を救う!?

 日本人の国民食ともいえる味噌。これを使った料理の代表格といえば、いわずもがな味噌汁だろう。和食には欠かせない一品だが、味噌汁好きの人の中には「そんなに味噌汁飲んでると、塩分の取り過ぎで病気になるよ」と言われた経験がある人もいるのではないだろうか。塩分の取り過ぎは確かに高血圧、ひいては脳卒中など生活習慣病になりやすくなるといわれている。しかし、最近この味噌汁を1日3食飲むことは、生活習慣病の代表格ともいえる糖尿病の発症予防に有効である可能性が指摘されている。

 これは山形大学医学部附属病院第三内科のグループがこの5月に大阪で開催された第57回日本糖尿病学会年次学術総会で報告したものだ。調査の概要はこんな感じだ。山形県高畠町の集団検診を受診した40歳以上の成人で、糖尿病治療中患者やデータ不十分の受信者を除外した男女合計1564人が調査対象。この人たちに、栄養調査や医療現場での食事指導などを行う場合に使用される簡易式自記式食事歴法質問票というもので過去1カ月間の食事を調査すると同時に、血圧測定や採血を行った。

 このデータを解析すると興味深い結果が浮かび上がった。男性で味噌汁を1日3杯以上飲んでいる人たちは、味噌汁を1日2杯以内しか飲んでいない人たちに比べて、空腹時の血糖値平均が明らかに低くかったのだ。空腹時血糖値というのは、血液中のブドウ糖の量を調べるもので、食事直後などはどんな人でも数値が上昇する。ただ、正常範囲は70~109mg/dLで、126mg/dLを超えると糖尿病と診断される。ちなみに今回の調査では 男性で味噌汁を1日3杯以上飲んでいる男性の空腹時血糖値は 93.3mg/dL 、対する味噌汁を1日2杯以内しか飲んでいない男性の空腹時血糖値は96.1mg/dL。わずか3mg/dL程度の差と思うかもしれないが、これは統計学的な検討を行うと、偶然起きた差ではないということがわかっている。

大豆由来食品が持つ効用

 しかし、なぜ味噌汁で糖尿病を予防できるのか――。

 これには人間の脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンと呼ばれるホルモンが関係していると考えられている。このホルモンには脂肪の燃焼や血糖値を低下させる働きがあり、大豆に含まれるタンパク質にはこのアディポネクチンの合成を増加させるという作用がある。つまり味噌のような大豆由来食品の摂取がアディポネクチンを増やし、ひいては血糖値を低く保ち、糖尿病の発症を予防する効果があるというロジックだ。

 実際、この調査では、血中のアディポネクチン値も測定していて、味噌汁を1日3杯以上飲んでいる男性のほうが、1日2杯以内しか飲んでいない男性に比べて明らかに血中アディポネクチン値が高かったこともわかっている。

 でも「なぜ男性だけなのか?」と思う人もいるかもしれない。実際、対象者中の女性のみでは男性と同じような差はなかった。ただ、この女性の対象者を肥満度の指標となっているボディマス指標(BMI:体重kg/身長mの2乗、25以上で肥満)で、23未満の人たちと23以上の人たちで分けると、23未満の女性たちでは、味噌汁を1日3杯以上飲んでいる人たちは、1日2杯以内しか飲んでいない人たちに比べて明らかに血中のアディポネクチン値が高かった。

 ここで気になるのが冒頭でも触れた、味噌汁の塩分が高血圧を招く危険性だ。しかし、この調査では、味噌汁を1日2杯以内の人たちと1日3杯以上の人たちで血圧値に差はなかったという。

 つまりは日本人になじみ深い味噌汁を含む、普通の和食を1日3回とっていることは糖尿病の発症予防には有効である可能性が高いということだ。もっとも糖尿病予防のためとがぶ飲みしたら、それはそれで問題。何事も「過ぎたるはおよばざるが如し」なので、ご注意を。【ビジネスジャーナル初出】(2014年7月)

(文=チーム・ヘルスプレス)

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