「セクハラ」「パワハラ」だけじゃない!新たな「ハラスメント」に職場は戦々恐々?

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公私にわたる<32種類>のハラスメント

 パワハラ、セクハラ、マタハラはもはや有名だが、モラハラ(モラル・ハラスメント)も職場では深刻だ。モラハラは、本人に「自分が悪い」と思わせる、じわじわと責めるような言動が特徴だ。

 「普通はこうなのに」「いつだって君は……」「はぁ(ため息)」など、常識や社会モラルを盾に、問題が本人にある言動をされ、一見すると教育的指導にも似ているので、自他ともに気づきにくい。

 エアハラ(エアー・ハラスメント)も、職場ではありがちだ。特定の人を陥れるために、その場の「空気(エアー)」をコントロールし、対象者とって都合の悪い雰囲気へと持っていく。空気の読めない人が、場の雰囲気を悪くするのとは異なり、意図的にそういう方向へ仕向ける巧妙なハラスメントだ。

 同じエアハラと略されるが、エアコン・ハラスメントも要注意だ。特に夏は、暑がりの男性社員と、冷えやすい女性社員との摩擦が生じやすい季節。自分勝手にエアコンを温度調節すると、エアハラといわれてしまう。

 時代性から、お酒やタバコを強要するアルハラ(アルコール・ハラスメント)やスモハラ(スモーク・ハラスメント)はさすがに減ってきているが、代わりに、スメハラやソーハラといった新しいハラスメントが登場している。

 スメハラ(スメル・ハラスメント)は、腋臭、体臭、香水などの臭いが相手に不快を与えることだ。日本法規情報株式会社の調査発表によると、認知度が2割近くまで急上昇しているそうだ。ソーハラ(ソーシャル・ハラスメント)はSNSの強要や、それに絡む嫌がらせである。

 セクハラの二次被害といえる、セカハラ(セカンド・ハラスメント)も、職場という閉鎖的な環境では起こりやすい。セクハラを会社に訴えたことで、逆に会社から受ける不当な扱いだ。

 訴えられたセクハラ加害者の社内でのポジションによることもあるし、会社が世間体を気にしてセクハラの事実を隠蔽するための場合もある。被害者は、二次的なダメージを受ける。

 また、職場での究極のハラスメントは、リストラ・ハラスメントだろう。特定の人をリストラに追い込む、嫌がらせやいじめだ。上司が個人的に行うこともあれば、人事異動など組織的な行為も、現場では横行している。

 人事が絡むハラスメントとしては、最新のオワハラも問題化している。これは、「(就職活動を)終われハラスメント」の略。就職活動中の学生に対し、他の企業への就職活動を終了させる重圧をいう。企業という組織による一種のパワハラだが、学生にとっては、将来を左右する大変迷惑なハラスメントだ。

 そのほか、男女差をふりかざすジェンダー・ハラスメントはもってのほかだが、個人の取り扱いにも慎重にならないと、エイハラ(エイジ・ハラスメント:年齢による偏見や嫌がらせ。女性に多い)、パーハラ(パーソナル・ハラスメント:容姿、クセ、生活面など個人的なことをからかったり、必要以上に聞き出したりすること)、ブラハラ(ブラッドタイプ・ハラスメント:血液型で人格判断すること)、レイハラ(レイシャル・ハラスメント:外国人やハーフ、出身地による人種差別)などといわれてしまうかもしれない。

 これだけハラスメントがあると、人間関係そのものが窮屈になりそうだ。「己の欲せざる所は人に施す勿れ」。自分がされて嫌なことを人にしないのはともかく、自分はまったく気にしないことを相手が実は嫌がっている場合もあるだろう。

 上司の心がけとしては、普段からコミュニケーションを円滑にし、嫌なことは嫌といえる風通しのよい職場環境を作りあげるのが、問題回避の道かもしれない。

ハラスメントで心も体も懐も疲弊

 残念ながら、こうしたハラスメントを受けて心身を病み、うつ病や適応障害などになって休業に追い込まれても、労災認定されるとは限らない。

 産業医を抱えている大手企業なら労災認定までのプロセスを辿りやすいが、中小企業などは自分で各種の対応をしなければならず、結局「私傷病による休暇・休職」として処理されがちだ。

 会社の業務上ではなく、あくまで個人の理由で休んでいるということになる。いつまで休めるのか、給料は出るのかは、会社それぞれの就業規則によるので、会社に確認しなければならない。

 場合によっては無給かもしれない。その場合、健康保険の疾病手当金の受給要件を満たしていれば、報酬月額の3分の2の額を、支給開始から1年6カ月まで受給できるので、受給要件を満たしているかどうか確認してみるとよい。

 ただし、国民健康保険の加入者は、受給資格がない。アルバイトや契約社員という形で、会社の健康保険に入っていないと、ハラスメント被害に遭って健康を損なった挙げ句に、収入も絶たれるという、二重の悲劇に陥ってしまう。とにかく無理せず、病気になる前に、転職を含め状況改善の方途を模索すべきだろう。
(文=編集部)

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