カルシウムはできるだけ食品から摂取
今回の報告は、あくまでもカルシウムのサプリメントが認知症リスクを高める可能性を明らかにしただけで、はっきりとしたことはまだわからない。そしてこのような論文が発表されたからと言って、カルシウムの摂取自体を避ける必要はない。
Kern博士も「食べ物から摂取するカルシウムは脳にとって安全であり、血管を保護する作用もある」ことを強調している。日本国内の研究でも、乳製品から摂取するカルシウムが血圧を下げ、脳卒中を予防する可能性が指摘されている。
特に女性はできるだけ食品からカルシウムを摂る食習慣を心がけて、サプリに頼りすぎないほうがいいだろう。「まだ若いから骨粗鬆症は無関係」などと油断してはいけない。若いうちから骨量を増やしておくことが大事だ。
成人が1日に必要なカルシウム摂取量はだいたい600~700mg。しかし、それに対して、日本人は平均500mg弱しか摂取できていない。平均摂取量と推奨量から考えると、普段の食事に加えて1日あたり200~400mgを余計に摂取するといい。
食品100g当たりのカルシウム含有量が多いのは、煮干2200mg、エンドウ豆1300mg、プロセスチーズ630mg、シラス干し520mg、シシャモ350mg、油揚げ300mg、牛乳110mgなど。
毎日の食事で無理なく摂るには、特に牛乳や乳製品、豆製品が効率が良い。若いうちからのプラスαを習慣にしよう。
(文=編集部)