ペットを生かさず殺さず「生ゴミ」処分~「犬猫の殺処分ゼロ」で暗躍する<引き取り屋>

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2016339891-2.jpg

保健所が殺処分するペットの数は減少傾向にあるが(shutterstock.com)

 ロックバンド「SEKAI NO OWARI」が期間限定シングル『Hey Ho』を10月5日にリリースする。この曲は「動物殺処分ゼロプロジェクト」の支援を目的とする作品だ。

 SEKAI NO OWARIは動物殺処分ゼロプロジェクト「ブレーメン」を立ち上げており、動物の譲渡を支援していく方針だ。今作の収益は、その支援金となる。特に10月8〜9日に東京国際フォーラムで行われる「ブレーメン」プロジェクト公演は、その全収益金が本プロジェクトに充てられるという。

保健所による殺処分数が減り、譲渡数が増えている

 いま日本では、自治体の保健所が主体となって犬猫などの殺処分を行っている。近年はどこも殺処分数を減らす方針で動いている。熊本県熊本市をはじめ「殺処分ゼロ」の目標を達成させた自治体もいくつかある。先の都知事選で小池百合子都知事が、「ペット殺処分ゼロ」を政策方針に掲げたことも記憶に新しい。

 野良犬を見かけない東京都心部と、群れで暮らす野犬がいるような山林地域とでは、自治体の対応も異なるが、「殺処分ゼロ」への道は基本的に以下の2原則である。

 ●犬猫の引き取りを規制する
 ●引き取った犬猫は新しい飼い主への譲渡する

 もちろん、保健所にペットを持ち込む飼い主は後を絶たないのだが、それでも全国的に殺処分数が減り、譲渡数が増えている傾向だ。<終生飼養>を掲げる自治体の取り組みは、成功しつつあるのだろう。

 だが問題は、一般の飼い主ではない。動物を「使って」生計を立てる業者だ。

<引き取り屋>が商品価値がなくなった犬を有料で処分

 平成24年に動物愛護管理法が改正され、自治体はブリーダー(繁殖業者)やペットショップ(生体小売業者)など動物取扱業者からの引き取りを拒否できるようになった。

 業者の世界はどこも、その実態は一般の人たちには見えにくく、長年当たり前になっていること、あるいは、新しい隙間産業が、ごまんとある。犬の「処分」についてもそうだ。

 業者はビジネスであるがゆえに、お金にならなくなった犬は処分する。きれいごとは通用しない。これは日本のペット業界の通例だ。

 処分にかけるコストは少ないほうがいい。良心的なショップは値段を下げて、原価割れしてでも<売り切る>努力をする。ブリーダー然り、商品価値はなくなっても里子として引き取り手を探すこともある。

 一方、悪質な業者は、内々で「売れ残った」犬を処分する。スタッフの手で冷凍死させるとか、川へ流すとか、野山へ遺棄するとか、お金を掛けずに速やかに処分する方法はさまざまだ。これは法律違反であり、もちろんこんな業者はほんの一部だが、皆無ではない。

 大半は、処分料を払って業者に引き取ってもらう。手間ひま掛からず、販売や繁殖などの本業に専念できる。以前は保健所へ持ち込めば安価で済んだが、平成24年以降、保健所の規制が厳しくなり、今は、もっぱら引き取り業者、通称<引き取り屋>に頼るしかない。

 商品価値がなく、業界では不要とされる犬の処分を有料で引き受ける<引き取り屋>は、こうした背景から近年ニーズが高まった。「殺処分ゼロ」政策の反動として「引き取り屋」が横行したといえる。

睡眠障害治療の新たな幕開け!個人に必要な睡眠の「量」と「質」を決める遺伝子を探せ
インタビュー「睡眠障害治療の最前線」後編:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授

前編『『人間の「脳」は7時間程度の睡眠が必要! 本当のショートスリーパーは100人に1人程度!?』』

ひとくちに睡眠障害といっても、さまざまな症状がある。1990年代後半から脳内に眠気を誘う「睡眠物質」を探す研究にスポットライトが当たり、2018年からは睡眠の質と量を決める遺伝子の解析も進められている。今回は睡眠障害について、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の佐藤誠教授に話しを聞いた。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

鈴木龍太

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆