危険な温度を知らせる生体反応やセンサー
口腔や咽頭(特に口蓋や咽頭後壁)の温度が低下する速さ、血管の収縮する速さが関連しているという説もあります。また片頭痛と言われる頭痛持ちの方が、起こる率が高いとの報告もあります。
また、氷の塊(アイスキューブ)より氷水(アイスウォーター)のほうが起こしやすいとの報告(注3)があります。液体のほうが個体よりも温度の伝導率がよいために、氷水(アイスウォーター)のほうが口腔内温度を急激に下げることが予想されためかもしれません。
これはあくまで推測ですがアイスクリーム頭痛は、冷たい、熱いなど、人間にとって危険な温度に体がなっていることを知らせる一種の生体反応やセンサーの役割をしているのかもしれません。
よって、アイスクリーム頭痛を起こさないためには、早く食べないで、ゆっくり食べることが大事です。お茶やコーヒーなど少し暖かいものといっしょに食べると、口腔や咽頭の温度が急速に下がらないので、頭痛を来すことが少ないと考えられています。
痛くなっても、数分すれば自然に軽快しますので、あわてずに対処してください。
もし、すぐに軽快しないようなら、別の疾患の可能性もありますので医療機関でご相談ください。
今年の夏に、家族や友人とかき氷やアイスクリームを食べた思い出が、たくさんできることを祈っています。
(注1)国際頭痛分類(訳:日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会)発行2014年10月 医学書院
(注2)Zierz AM,et al. J Neurol. 2016 Jun;263(6):1106-10.
(注3)Mages S, et al. Cephalalgia. 2016 May 19. pii: PubMed PMID: 27206961.