がんになったけれども元気に仕事できる社会に
基本法自体、がん医療の水準向上と「全国どこでも同じレベルの医療」を提供できる環境整備を謳っており、治療法も日進月歩である今日。
がん発症後も治療を経て「社会復帰」ができるよう、就労支援を法的に位置づけ、経済的不安が軽減できる社会の構築を改正案はめざす。
いわゆる「私傷病」の取り扱いに関しては各社の就業規則にゆだねられており、指針上の法的拘束力はない。そんな現状に対し、改正案は「事業主の責務」の新設を掲げている。
一方の厚労省も今春、がん患者など長期治療が必要な勤労者に対し、企業側がその勤務時間や休暇への配慮を促すガイドライン(指針)を公表した。
こちらも法的拘束力はないものの、企業社会に広く根付かせる目的で、「治療と仕事の両立」を掲げるガイドラインには、次のような支援策(=お試し出勤案)が例示されている。
■時間単位の有給休暇/ 時差出勤/ 短時間勤務/ 在宅勤務/ 休業明けの勤務時間を短くする
がんサバイバーが働くための組織の代表も務めている鳥越俊太郎さんは、こう語っていた。
「がんになったけれども幸いにも生き残った人たちが元気に仕事をしていく、そういう社会を心から思っています」
「がん検診100%」の鳥越案に対しては、「準備不足で政策のタマがない証し」との厳しい指摘や、賛同派のなかにも「反面、政治の手段にはしてほしくないな」という意見もある。
現役就労でがんばる都民サバイバーたちはどう捉えるだろうか。投票日は7月31日!
(文=編集部)