勝手耳は「無罪」の夢をみるか?
疑惑と耳の微妙な連鎖といえば、号泣議員は今年2月の第2回公判で耳技(?)がさらに進化。百戦錬磨の検察官を相手に「右耳を集中させますので、もう一度お願いします」という迷言まで口にしたという。
そして、詐聴でいえば“全聾の作曲家”として一時脚光をあびた佐村河内守氏の会見が未だ記憶にあたらしい。佐村河内氏は会見で、手話通訳の介在が「今後も必要」と明言しながらも、記者の詰問に逆ギレして通訳の途中で反論するという“勇み足”で馬脚を露わした。
舛添都知事も「第三者の目」を連発した会見中、執拗な追及質問に思わず上から目線で逆ギレの即応をしてしまう場面が見られた。個性や疑惑の案件は三者三様だが、野々村・佐村河内・舛添の三氏に共通するのは「勝手耳」という名の往生際の悪さだろう。
翻って、引き際の見事さをみせてくれたのが、ロック歌手の氷室京介さん。昨夏「耳の不調」を理由に、今後のライブ活動の無期限休止を宣言。多くのファンの惜しむ声を背に、アーティスト活動35年の集大成であるファイナル公演(5月23日@東京ドーム)で完全燃焼した。
「第三者の目」とは何よりも、中継カメラの向こうで耳目を集中して見守る都民(国民)だ。それを聞き入れない舛添都知事は、「第三者(=大衆)の耳」の適正音量にこそ、ツマミを合わせるべきだろう。
(文=編集部)